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一年で10倍になる運用は一年で1/10になる

みなさんこんにちは。

世の中には一定の割合でギャンブルを好む人がいるように思います、
パチンコや競馬、競艇や競輪などにのめり込む人がその代表です。

投資の世界にもギャンブル好きの人はいます、
最近あまり耳にしなくなりましたが例えばFXの証拠金取引です。

世界的にも日本人は為替ギャンブルを好むとみられていたようで、
その昔は海外投資家から「ミセス渡辺」などと揶揄されたものです。

仮想通貨の世界でも同様で、
一時世界のビットコイン取引の半分ほどが、
円建てで行われていた時がありました。

一方でよく言われるように日本人は貯蓄が好きです。

2020年の日銀資料をみても、家計が保有する資産に占める
現預金の割合は約54%もあります、これに対し株と投信をあわせても
13%ほどにしかなりません。

対してアメリカは

・現預金:約14%
・株と投信:約46%

です、ちょうど日米で現預金と株がひっくり返った格好に
なっています。

上の数字からみえるのは、
日本人は投機は好きだが資産運用は好まないという傾向です。

おそらく一般の日本人に「なぜ株や投信に投資せず、現預金のまま
置いておくのですか?」と尋ねると、多くの方は
「運用に失敗して値下がりするのが怖いから」と答える
のではないでしょうか。

一方で上記のように日本人は短期の投機、
しかもハイリスク・ハイリターンの投機に積極的な
人が多いといえるのではないでしょうか。

つまり日本人の投資に対する姿勢は両極端で、
大半の人が保守的で安全志向が強い一方で、
ハイリスク・ハイリターンを好む一握りの投機好きな人が
いるといってよいでしょう。

ではなぜこのように両極端に分かれてしまっているのでしょう。

僕は投資に対する理解度が成熟していないからだと思います、
株は長期でもつと極めて高い確率で儲かります。

もちろん一つ一つの会社をみると、
つぶれる会社や万年低迷株もありますが、
世界の株式全てをまとめると、
長い目で見て儲かることがわかります。

ではなぜ株を長期で持てばもうかるのでしょう。

それは人間が経済活動を続ける限り、
会社の集合体である経済はその規模を拡大してゆくからです。

貯蓄を好む人たちは、
この原理を理解していないと思いますし、
投機を好む人たちもまた、
この原理を理解していないから短期で大儲けしようと
するのだと思います。

投機によって一時は大儲けすることがあっても、
それが長続きすることはありません、
あたかもじゃんけんゲームの勝者がじゃんけんの天才で
ないのと同じです。

一年で10倍になるような運用は、
一年で資産を1/10に減らす運用だといえるでしょう。

でも1/10になったからといって絶望する必要はありません、
なぜならそのうちまた10倍になる当たり年がやってくるからです、
それが統計と確率の世界です。

でも大半の人はそのバクチに徹しきれず、
1/10になった時点でゲームをやめてしまいます、
株や仮想通貨への投機で多くの人が負けるのは、
このような理由からだと僕は思います。

私たちは一年で10倍にする運用ではなく、
10年、20年かけてゆっくりと増やす運用を目指すべきでは
ないでしょうか。

 

では今回はこのへんで。

(2021年6月3日)




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