アジアの銀貨市場で起きた地殻変動

みなさんこんにちは。

日々私たちが何の疑いもなく受け入れていることでも、
よく考えるとヘンなことは珍しくありません。

でもそんな素朴な疑問を素通りしてはいけないと僕は思います。

なぜなら「ヘンなこと」のなかに、
投資のヒントが隠されていることがよくあるからです。

株の世界でも「ヘンなこと」はよくありますし、
不動産の世界でも、為替相場の世界でも、
「ヘンなこと」はよくあります。

今回はコインの世界の「ヘンなこと」について、
少しお話ししたいと思います。

まずは中国コインについてです、
中国コインというのは清朝末期から中華民国成立後、
第二次世界大戦まで中国で造られていたコインのことを
さします(注)。

注)僕の定義です、これは世間一般の定義とは少し違います。

中国コインの爆騰が始まったのは、
たしかリーマン・ショックあたりからだったと思います。

中国政府が打ち出した4兆元(当時のレートで60兆円ほど
でした)の経済対策がきっかけになったのかもしれません。

当時の中国経済は日本や欧米の景気が落ち込むなか、
この景気対策によって独走状態に入り、
その後一気に経済超大国の仲間入りを果たしました。

一人当たりGDPは順調に拡大して国全体がリッチになり、
加えて貧富の差が大きくなって巨大な富裕層が生まれました。

もともと自国の通貨に対する信頼感が低いところに持ってきて、
巨大な富裕層の形成です。

かれらが現物資産におカネを流し込んだのは、
当然のなりゆきだったといえるでしょう。

一般にコイン投資は自国のコインから始まります、
リーマン・ショック以降の「中国コイン爆上げ」は、
このようにして始まったといえるでしょう。

ところがある時点で、
こんな疑問を持つ人が出てきました。

「中国コインばっかり買っていていいんだろうか・・」

そして視野を広げると、自国の周辺にまるでタダのような
コインがたくさんあることを知ったはずです。

ベトナム、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、
インドネシシア・・・

かれらはまずこのあたりのコインを買い始め、
「アジアコイン」の市場に地殻変動が起きました。

「アジアコイン」は時価総額が小さく、
ほんのわずかな買いで値を上げてしまったのです。

日本の明治銀貨はさすがに時価総額が大きく、
しばらくはチャイナマネーを吸収していましたが、
それも昨年あたりまでが限界でした。

こうやって「中国コイン」⇒「アジアコイン」と波及した地殻変動は、
日本の明治銀貨に到達しました。

振り返ればこの過程で、
「ヘンなこと」は随分と訂正されました。

・アジアは高成長が見込まれ、しかもアジアコインは銘柄、
 残存数とも少ないのに、なぜタダみたいな値に放置されているのか

・日本の円銀は立派でデザインも美しいのに、
 なぜ中国コインにくらべ極端に安いのか。

たしかに上記のような「ヘンなこと」は随分と訂正されましたが、
それでもまだ割安感はあります。

ここまでが世界的にみたリーマン・ショック以降、
今年前半あたりまでの「アジア銀貨相場」の推移でした。

上記のように幾分訂正されはしましたが、
世界を見渡すとまだ「ヘンなことは」残っています。

遠からずアジアで起きた地殻変動は、
世界の銀貨相場に及ぶと僕は思います。

少し長くなってきましたので、
この続きは来週したいと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2021年9月9日)




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