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多分どこにでもある才能と日本経済の再生

みなさんこんにちは。

今日の日経新聞に面白い記事が載っていました。

梶田光くんの記事です、
梶田くんは1歳のころから数字が好きで、
2歳になると九九ができたそうです。

その後も順調に数学の才能を伸ばし、
5歳で2次方程式を解き、
小学校に入るころには義務教育レベルの数学をマスターしたそうです

そして10歳で完全数にまつわる新たな定理を発見しました、
なんでも完全数というのは「自然数nで自分より小さい正の約数の和が、
nに等しいときのn」だそうです。

僕は数学が苦手なのでさっぱりわかりませんが、
完全数は人類の数学研究史のなかで51個しか見つかっていません。

13歳になった今はさらに数学の才能をのばし、
たとえば学習院大学名誉教授の飯高茂さんと、
共著論文を発表したりしているそうです。

その飯高教授によれば、
梶田くんは教え子ではなく、
共同のパートナーだとのことです。

注)以上は9月30日付の日本経済新聞朝刊の記事を一部引用して
  書きました。

僕は以前から「なぜ日本が衰退の道をたどっているのか」
が不思議で、自分なりにあれこれ考えてきました。

1980年代から1990年代にかけピークを迎えた日本経済は、
その後、坂道を転げ落ちるように衰退しっぱなしです。

メーカーは世界を驚かす新しい製品を出さなくなりましたし、
お給料の水準はこの20年ほど全くといっていいほど上がりません、
物価が安いのは悪いことではないかもしれませんが、
モノが高く売れないので会社は儲かりません、儲からないから
給料を上げられず、その結果、今の日本は先進国で最も物価が
安い国といわれるようになってしまいました。

よく考えるとこれは衰退ではないでしょうか。

冒頭で梶田くんについて書かせていただきましたが、
おそらく梶田くんのような才能を持った人は、
日本のあちこちにいるのではないでしょうか。

それが硬直化した社会や会社の中で、
埋もれてしまっているだけではないかと僕は思います。

会社では形通りの仕事をする人が評価され出世する、
独創性の発揮は和を乱すと敬遠され、そのような人は
決して出世しない、そんな企業風土から独創的な商品は生まれない。

これが全てとは言いませんが、
日本がかつてのように独創的な商品を出せなくなったのは、
才能を尊敬しない会社や社会に一因があると思います。

そのような観点で過去を振り返りますと、
私たち日本人が遂げた2度の躍進と現在を比べざるをえません。

一回目は明治維新、
二回目は戦後です。

どちらも若者たちが中心になって社会や会社を作った
時期でした。

先日NHKの「青天を衝け」を視ていたら、
こんなシーンがありました。

大隈重信が「いまの明治新政府は人も金も法律もない、
からっぽですべてこれから造らなければならない、
そのためにはなにより有能な人材が重要だ、渋沢君、
ぜひ明治新政府の一員になってくれ」

こんなセリフだったと思います。

僕のあやふやな記憶なので、違っていたらごめんなさい、
でもたぶん内容はこんな感じでした。

ちなみに大隈重信は明治維新時点で30歳です、
明治政府の重鎮、大久保利通ですら38歳でした、
いまの閣僚と比べるとホンの青二才です。

戦後の日本も同様だったと思います、
法律も規範もあいまいで年長者も若者もなかったはずです、
それこそなんでもアリの世の中の、
ドサクサからソニーや松下など未来の優良企業が生まれました。

大隈重信や渋沢栄一が今生まれたとしたら・・・、
ソニーの盛田さんや松下幸之助さんが今の世に生まれていたら、
果たしてその才能を発揮できたでしょうか。

こんな風に考えると、
日本の再生のヒントが見えてくるような気がしますし、
とりうる選択肢はいくつかあるように思います。

一つは財政の破綻によって、
いちど社会をリセットしてしまうという考えです、
過激なようですが案外とこれは近道かもしれません。

もっとも選択肢というよりは、
意図せざる成り行きといったほうがいいかもしれません。

財政破綻による被害の大きさを考えるなら、
軽々にこのようなことをいうべきではないかもしれません、
でもリセットによって新しい社会や会社が生まれるなら、
それもやむを得ないのかな、などと思ってしまいます。

もう一つの選択肢は、
私たちの世代がもっと若者を尊重し、
その才能を発揮できるような環境をつくるという考えです。

そういえばサントリーの新浪さんが45歳定年制を唱えています、
定年という言葉が適切かどうかは疑問ですが、
若者の埋もれた才能を引き出すという点で、
一つの選択肢かもしれません。

会社を離れるのはつらいことではありますが、去る側にとっても、
新天地で自分の才能を発揮できる可能性もあります。

最後にふたたび冒頭の日経新聞からです。

記事によると、
梶田光くんと共同研究を進める学習院大学名誉教授の飯高茂さんに、
天才の育て方を尋ねると、以下のような答えが返ってきたとのことです。

「大人は何もしない方がいい」

含蓄のある言葉だと思います、
日本経済再生にもこの考えは生かせるかもしれません。

 

では今回はこのへんで。

(2021年10月1日)




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