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日本株はどう動くか(2021年10月8日版)

みなさんこんにちは。

昨日まで日経平均は8日連続下げました、
なんでも8連敗は12年ぶりだとのことです。

今回は下げの理由を考えながら、
今後の値動きについて少し考えてみたいと思います。

まず8連敗の理由からです。

一つ目は岸田新総理が言及した金融所得の税率引き上げです。

現在は一律20%ですが、これを30%に引き上げたり、
儲けた金額によって累進性を持たせたりするアイデアを
お持ちのようです。

政策の妥当性は横に置くとして、
もしこれが実現した場合の株価への悪影響を先読みし、
株価が下落した面は確かにあると思います。

さらに岸田新政権が打ちだした分配重視の姿勢に対し、
特に海外の投資家は、日本経済停滞のにおいを感じ取っているのかも
しれません。

日本株8連敗の二つ目の理由として、
日本株が急伸していた点をあげていいと思います。

8月後半から9月中旬にかけ、
日経平均は27,000円台前半から一時は31,000円近くまで、
一気に15%近くも上がりました。

8連敗はその反動の性格も持っていたのだと思います。

日本株8連敗の三つ目の理由は、
世界的規模で起きているインフレだと思います。

日本にいるとインフレなど、どこか遠い国のお話しのようにしか思えませんが、
世界的には天然ガスや石炭の値上がりは深刻な問題です。

既に中国では大規模な停電が発生し、
経済活動が停滞し始めています。

インドでも石炭の在庫がタイトになっており、
近々停電が起きるかもしれません。

また原油価格も急騰しており、
これがアメリカのインフレ懸念を高めています。

いままでFRBのパウエル議長は「インフレは一時的だ」との
見解を示してきましたが、そうとばかりは言っていられない状況に
なりました。

もしインフレに持続性があるのなら、
いったいどのようなことが起きるのでしょう。

一番の懸念はアメリカの利上げスケジュールの前倒しです。

従来は2023年にアメリカは利上げを始めると市場は見ていたのですが、
たとえば来年に利上げが始まるとどうでしょう。

ゼロ金利の長期化を当て込んで株式市場に流れ込んでいた
おカネの一部は、債券市場に流れ込むことになるでしょう。

これは株の売り要因です。

日本株8連敗の四つ目の理由は、
中国の恒大集団問題です。

すでに不動産への規制強化は、
恒大集団という一企業の問題を超えつつあるといえるでしょう。

中国不動産バブルの崩壊という巨大な問題を、
世界の株式市場は意識し始めているのだと思います。

以上、
日本の株価下落の理由を4つみてまいりました。

どれ一つとっても日本株にとって小さな問題ではありませんが、
4つ合わさればその深刻さはいやがうえにも高まります。

一方で冷静に日本経済をみますと、
悪いお話し一色というわけではありません。

ワクチン接種は60%を超え、
集団免疫の獲得が現実味を帯び始めました。

もう一つの朗報は年末にも使えるようになるといわれる
コロナの飲み薬です。

もしこの2つが現実のものになれば、
コロナは季節性インフルと同程度の感染症に
なるのではないでしょうか。

つまりパンデミックの終息です。

この場合、1年半にも及ぶ消費停滞の反動は大きくなると思います、
レジャーを筆頭に鉄道、航空、人材募集・派遣、百貨店など、
関連株は買われることになるでしょう。

そして10月末からは上期の決算発表のシーズンです。

今期の業績予想とともに株式市場は、
来期(2022年3月期)の業績を織り込み始めるでしょう。

たしかに目先4つほど悪い材料はありますが、
冷静に日本経済をみると良い材料もあることがわかります。

すでに日本株は直近高値から12%ほど下げており、
8月末から9月までの儲けをほぼすべて吐き出した格好です。

これからも4つの悪材料は折に触れ市場を驚かせると思いますが、
大きく下げたところはチャンスだと思います。

中国依存度の高い銘柄を避けながら、
そろそろ仕込みの準備をしようと僕は思います。

 

では今回はこのへんで。

(2021年10月8日)




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