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今進みつつある円安と今後の見通し

みなさんこんにちは。

ここのところジワジワ円安が進んでいますね。

世界的に進む物価の上昇もあって、
ガソリンや灯油、小麦や食用油など、
私たち庶民の生活費も少しずつ上がっているようです。

今回はいま進行しつつある円安の要因と、
今後のドル円レートについて少し考えてみたいと思います。

いまの円安には短期と長期、
二つの要因があると僕は思います。

まず簡単な短期要因の方から考えてみましょう。

アメリカは経済の回復が順調で、
GDPはコロナ前を超えました。

急な需要の拡大に対し供給が追い付かず、
10月度の消費者物価は6.2%の上昇です、
なんでも6%台は1990年以来31年ぶりだそうですから、
これはもうすごい物価上昇といってよいでしょう。

一方で日本はどうでしょう。

コロナ感染者はアメリカより随分と少ないですが、
それ反して需要の回復は緩慢です。

輸入品の一部に価格の上昇がみられますが、
それでも消費者物価はやっと水面上に顔を出した程度に過ぎません。

両国の物価上昇は金利の水準に影響し、
アメリカの金利と日本の金利の差は拡大傾向です。

これが足元の円安要因になっているといえるでしょう、
以上が円安の短期要因です。

続いて円安の長期要因のほうも見ておきましょう。

いろんな考え方があるのは承知していますが、
長期的に為替相場は国力を反映すると僕は考えています。

よく「デフレ国の通貨は高くなる」といわれますが、
それは10年や20年といった中期的な時間軸のお話しでは
ないかと思います。

では長期的にみても「デフレ国の通貨は高くなる」
のでしょうか?

例えば日本は20年にもわたってデフレが続いていますが、
その間ドル円相場はどう動いたでしょう。

2012年に1ドル=70円台を付けましたが、
全体を見渡せば100円から120円あたりで横ばいで、
少なくともこの間、決して円高にはなっていません。

逆に1985年のプラザ合意以降1995年にかけ、
200円前後から70円台まで一気に円高が進みましたが、
当時の日本は逆に他国よりインフレ傾向でした。

つまり日本に関して言えば「デフレ国の通貨は高くなる」の
逆に動いてきたことがわかります。

体感的には「為替相場は国力を反映する」と
考えたほうがよほどしっくりきます。

日本だけではありません。

たとえば覇権時代のイギリスのポンドは高く、
それ以降ポンドが売られた事例などをみても、
長期的には「為替相場は国力を反映する」と考えて
よいのではないかと僕は思います。

ではこの説に従って今後のドル円相場をみればどうでしょう。

少子化、高齢化、生産性の低下、革新性の喪失、
財政の悪化・・・などなど、今後日本の国力低下を予想させる
材料に事欠きません。

かりに長期的に「為替相場は国力を反映する」なら、
円安はさらに進むと考えざるをえません。

明確な水準について僕はイメージを持っているわけではありませんが、
日本経済の全盛期だった1980年代の水準より、円高を維持するのは
難しいのではないでしょうか。

ちなみに1980年代のドル円相場の平均値は、目分量にはなりますが、
1ドル=150円から200円あたりです。

もちろんこの水準まで、
一足飛びに円安が進むといっているわけではありません。

かりに日本がかつての成長性を取り戻さなければ、
長期的にこの水準が視野に入ってくるというニュアンスです。

 

では今回はこのへんで。

(2021年11月26日)




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