エヌビディアの決算から株式投資を考える

みなさんこんにちは。

日本時間の今朝がた、
アメリカのエヌビディアの決算発表がありました。

同社の決算月は1月ですので、
これで2021年2月から2022年1月の1年が終わった格好です。

結果はすこぶるよく、
同社のサイトでは以下のように開示されています。

売上:26,914百万ドル (前年比 +61.4%)
税引き前利益:9,941百万ドル (同 +125.5%)
税引き後利益:9,752百万ドル (同 +125.1%)

アメリカのアナリストによる事前の予想を上回る好決算です。

同時に発表された次の四半期(2022年2月-4月)の予想を見ても、
例えば売り上げは事前のアナリスト予想を12%以上も上回るなど、
同社の成長性に期待を持たせる良い内容です。

にもかかわらず、
同社株は決算発表後の時間外取引で下げに転じました。

これは同社だけの傾向ではなく日米欧に共通する傾向です。

四半期決算が事前予想を上回る一方で株価は逆に下がることにより、
予想PERは随分と下げました。

足元では、

アメリカのS&P500:約19倍
ヨーロッパのSTOXX600:約14倍
日本のTOPIX:約13倍

と過去5年平均あたりまで下げています。

市場が一番気にしているのは世界的に進む金融引き締めで、
特にFRBの金融政策は世界中の注目を集めています。

FRB:アメリカの中央銀行に相当しますが、アメリカは経済の規模が
   大きいので、実質的に世界の中央銀行的な性格を持っています。

今のところFRBは年末までに5回程度の利上げを行ない、
年後半にはQT(市場のおカネを回収)を始めると、
市場は織り込んでいます。

たしかに足元の企業業績は好調ですが、
FRBによる金融引き締めが進む結果、
今年の企業業績は伸び悩むと市場はみているのでしょう。

その結果が足元で進む、
「株価の下落」と「PERの適正化」です。

でも相場はいつも上にも下にも行きすぎるものです。

株は未知なもの対して過剰に反応いたしますが、
実際に起きてしまえば「知ったらおしまい」で、
早々とその先を織り込みはじめます。

現在に当てはめればどうでしょう。

株価は足元ではFRBの金融引き締めを前に身構えていますが、
3月に利上げが始まってしまえば「知ったらおしまい」です。

株価は次の材料を探し始めるでしょう。

金融が正常化する中でも業績を伸ばすのはどの業種なのか、
さらにその業種のなかでどの会社が強いのか・・・。

株価は企業の業績を反映するという、あたりまえの事実に立ち返り、
市場は次の勝馬を探すことになるでしょう。

たとえば冒頭でご紹介したエヌビディアです。

同社の企業業績をほとんど無視されFRBの利上げに流されていますが、
足元の業績はいいですし将来性も十分です。

同社以外にも、
業績や業績予想が良いにもかかわらず売られた銘柄は沢山あります。

株式投資は短距離走ではなくマラソンです、
しばらくは我慢の時期が続くでしょうが、
その我慢が一年後の成果に結びつくと僕は思います。

 

では今回はこのへんで。

(2022年2月16日)




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