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円安時代のポートフォリオ

みなさんこんにちは。

なんでも日本経済新聞と日本経済研究センターは、
共同で円の理論値「日経均衡為替レート」を算出しているそうです。

「日経均衡為替レート」というのは、
日本経済の実力にみあった為替レートのことで、
四半期に一度更新しています。

さてその「日経均衡為替レート」です。

足元の経常赤字を反映して直近数値を計算したところ、
円の理論値は1ドル=121円70銭となったそうです(注)。

注)2022年3月30日、日本経済新聞の朝刊記事より

昨年7-9月期時点で、
この理論値は1ドル=105円40銭ほどでしたので、
わずか半年で16円ほども円安方向に振れたことになります。

さらにです。

現在のドル円相場は1ドル=122円前後ですが、
このレートを前提にすれば、おそらく集計中の2月度経常赤字は、
直近データ1月の▲1.2兆円よりさらに悪化している可能性が高いと思います。

経常赤字の拡大が円安を呼び、
円安によってさらに経常赤字が拡大するという、
悪い循環はすでに始まっているといってよいでしょう。

その結果、おそらく足元の数字を反映した「日経均衡為替レート」は、
さきほどの「1ドル=121円70銭」よりさらに円安方向に動いている
のではないでしょうか。

もちろん足元の円安傾向が無限に続くわけではありません。

すでに政府と日銀は円安阻止にむけ地ならしを始めているようですし、
足元の円安要因となった商品相場の上昇も、
そういつまでも続くものではありません。

いったんは現状近辺でボックス圏に入る可能背が高いと僕は思います。

ただし長期的にみればどうでしょう。

先週このメルマガでお話ししたような理由で、
さらに円安方向に動かざるをえないと僕は思います。

もちろん円安は悪いことばかりではありません。

輸出型企業の収益は増え株価も上がるでしょうし、
当該企業は従業員に対してお給料を増やす余地が
出てくるはずです。

でもこのような企業はホンの一握りに過ぎません。

内需型の会社や中小企業で働く人たち、
そしてその家族たち・・・、
おそらく日本人の大半は円安のメリットを受けられない
のではないでしょうか。

一方で円安によるデメリットは、
日本国民が広く受け入れなければなりません。

すでにパンや麺類、
電気代やガス代、
スナック類や調味料など、
幅広い日常品の価格が値上がりしているのはご存じの通りです。

もしお給料が増えていなければ、
実質的にそれだけ私たちは貧乏になったといえるでしょう。

このようなフローの面からだけではなく、
ストックの面でも私たちは同様の目にあいます。

その代表は現預金です。

円建てで見れば現預金が目減りすることはないですが、
例えばドルに換算すればどうでしょう。

1000万円の現金は「1ドル=100円」なら10万ドルですが、
「1ドル=130円」になれば約7.7万ドルです。

「私は日本で暮らしているから関係ない」とお思いかもしれませんが、
私たちがこれから生活してゆくのはこの「1ドル=130円」の世界です。

輸入品の価格はこの「1ドル=130円」に見合ったレベルに上昇し、
日々の「おカネの出(で)」を増やしてゆきます。

その結果、私たちは手持ちの現金1000万円が、
10万ドルではなく、7.7万ドルに目減りしていることを実感するでしょう。

つまり「フロー(日々のおカネの出入り)の世界」で起きていることは、
時間の経過とともに「ストック(おカネの残高)の世界」でも起きるのです。

では私たちはどうすればこの「相対的貧困化」に陥らなくて済むのでしょう。

実はさほど難しいことではありません、
資産の一部を外貨建て資産に移動すればいいだけです。

外国株もいいですし、
米国の金利がここまで上がってきますと、
米国の超長期債も選択肢になります。

世界的なインフレを想定されるなら、
海外不動産や海外のアンティークコインなど、
実物資産が現実的な選択肢になるでしょう。

このような成長資産は、外貨ベースでも価値が高まりますので、
すべての資産を外貨建てで持つ必要はありません。

ただしこの「一寸先は闇」の世界では、
外貨の中でも質的な分散が必要です。

このように株や債券といった「ペーパーアセット群」と、
コインや不動産といった「実物資産群」へ分散しておくと、
安全性はさらに高まるでしょう。

 

では今回はこのへんで。

(2022年3月18日)




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