先が見えてきたアメリカのインフレと年後半の株価

みなさんこんにちは。

今年もはや後半に入り、
僕はそろそろ来年の世界経済や相場について考えています。

日本時間の昨夜、
アメリカの消費者物価指数(以下CPI)が発表されました。

結果は前年同月比9.1%の上昇でした。

事前の予想が8.8%、
先月の上昇率が8.6%でしたので、
アメリカのインフレは予想以上に進んだといってよいでしょう。

振り返れば今年は、
アメリカはじめ世界的に進むインフレに苦しみ続けた半年でした。

インフレを抑えるため利上げを進めざるをえませんが、
利上げによって景気が冷やされ、
世界が景気後退期に入るのではないかと懸念された半年でもありました。

最もはやく反応したのは株式で、
特に上昇速度が速かったアメリカのNasdaq市場などは、
昨年最高値16,000ポイントから一時11,000ポイント程度まで
急落しました、日本のハイテク株も似た値動きです。

では今後の世界経済や株価はどう動くのでしょう。

僕はアメリカのインフレには天井感が出てきたと思います。

なにより最近の商品相場によく表れています。

WTI原油は6月に1バーレル=120ドルを超えていましたが、
足元では100ドルを割っています。

世界的に食糧価格高騰が懸念されていますが、
直近の値動きをみれば、例えば小麦は3月の高値1ブッシェル=1400セントから、
足元で800セント近辺まで下げています。

景気に対する先行性があるといわれる銅も下げ基調で、
6月初め時点の1トン=4.5千ドルに対し足元では3.3千ドルです。

アメリカは先月政策金利を1%⇒1.75%まで引き上げました、
通常の利上げ幅は0.25%ですから3回分に相当する強い利上げです。

その効果がアメリカの景気を抑制し、
上記のように商品相場を下げる方向に働いたといってよいでしょう。

一方で、昨夜発表されたCPIは6月時点のもので、
いわば過去の数字です。

上記のように商品相場はすでに下げ基調にありますし、
FRBは今月の決定会合で、さらに0.75%-1.0%と大きな利上げを
実施すると見られています。

もちろんウクライナ情勢など不確定要素もありますが、
来月発表される「7月度のCPI」は頭打ち感がでると思います。

よしんば7月度の数字が高めに出たとしても、
アメリカの大幅な利上げは時間の経過とともに世界経済を冷やすでしょう。

その結果、7月、8月、9月・・・月が進むにつれ、
アメリカのインフレは徐々に鎮静化に向かうはずです。

ではその間、
株はどう動くでしょう。

もし上記のようにアメリカのインフレが鎮静化に向かうなら、
FRBの利上げも徐々に終息方向とみておくべきでしょう。

イメージとして

・7月:0.75%か1.0%
・9月:0.5%
・11月:0.25%
・12月:0.25%

とこんな感じですすむなら
年末時点の政策金利は3.5%-3.75%といったところでしょう。

一見すると株にとってまだまだ厳しい時期が続きそうに
みえますが、あながちそうとばかりは言えません。

株価は先を見て動きます。

現在の株価水準には、すでに今年いっぱいの利上げそのものや、
利上げによる景気後退懸念まで
織り込まれているといってよいでしょう。

そしてもし年末時点の政策金利が、
上記のように3.5%-3.75%に達していたらどうでしょう。

この水準はかなり景気に対して抑制的ですので、
年末時点では「利下げの打ち止め感」が台頭しているはずです。

さらにその時点のインフレ率によっては、
逆に利下げの余地が出ているかもしれません。

以上の見立てから、
僕はアメリカのインフレ率はピークに達したと思いますし、
株価も底を打ったとみております。

 

では今回はこのへんで。

(2022年7月14日)




このコラムが一週間早くお手元に届きます
当社代表の田中が週に一回お届けする無料メルマガ「一緒に歩もう! 小富豪への道」
は下記からご登録いただけます。

「T's資産運用コラム」と同じ内容を一週間早くご覧いただけます、是非ご登録ください。

【購読登録】 メールアドレスご入力ください :
『まぐまぐ!』から発行していますので、ご安心ください。
totop