ジミなアメリカ国債のお話し-2

みなさんこんにちは。

今回も前回に続きアメリカ国債のお話しいたします。

前回から一歩進め、「アメリカの長期国債は、私たちの資産運用や
ライフプランニングにどのような効果があるか」という点について、
少し少し具体的に説明させていただきます。

前回申し上げたように、債券という金融商品は
買った瞬間に保有期間中に受け取る利息と元本が確定します。

もちろんドル建て債券の場合は、
ドルで利息と元本が支払われますので、
円貨に換算する際、為替レートによってはブレは生じます。

たしかにそれは大きな欠点ではありますが、
世の中に欠点がない金融商品などありません。

この欠点を補うためには、
数年の時間軸で計画的に購入の準備をしておくことが大切です。

たとえば円高時を待ってドルを買ったり、
時間を分散してドルに両替したり、
という準備です。

さらには既にお持ちの米国株などを売るときに、
円に両替せずどのままドルで保有するのもいいでしょう。

さてその前提で今回のテーマである

『アメリカの長期国債は、私たちの資産運用やライフプランニング
にどのような効果があるか』

についてです。

まず皆さんは「ゼロ・クーポン債」(もしくは「ストリップス債」)を
ご存じでしょうか。

ゼロ・クーポン債は「クーポン(利息)がゼロの債券」で、
文字通り「保有期間中は1ドルの利息も貰えない債券」です。

「なんで利息を1ドルも貰えないのに債券を買うの?」

とおっしゃるかもしれませんが、ゼロ・クーポン債は
そのぶん割引価格で発行されるのです。

たとえば三菱UFJ証券(注)のサイトを見ると、
以下のようなゼロ・クーポンの米国債が販売中です。

・利率0%
・利回り2.956%
・販売価格78.07ドル
・額面100ドル
・償還日2031年2月15日

注)前回に続き三菱UFJ証券が販売する銘柄を例にとりますが、
  弊社は同社とは一切の利害関係がありません、野村や大和など、
  大手証券会社でも同種の債券を販売しています

これはどういうことかといいますと、
2031年2月15日に100ドルで償還される債券が、
いま78.07ドルで買えるということです。

保有期間中の利息はゼロですが、
債券本体部分では1単位あたり21.93ドルの儲けです。

・100ドル-78.07ドル=21.93ドル

この21.93ドルを保有期間中(約8年半)で複利で割り戻すと、
1年あたりの収益率、言い換えれば「利回り」が2.956%になるのです。

このゼロ・クーポン債は、
私たちのライフプラニングにおいてとても有益です。

なぜならば満期時点で受け取るおカネが、
買った瞬間にドル建てで確定するからです。

特に保有期間中の収支がバランスしており、
おカネのニーズが小さい人に向いているでしょう。

たとえば皆さんがライフプランニングを行って、

・60歳までの現役時代は収支がバランスしてる
・60歳の一時定年以降64歳までは年金もなく、
「支出>収入」が続く

このような試算になればどうでしょう。

このようなケースでは、
年金収入が見込めない60歳から64歳までの収入を、
確保されたほうがいいでしょう。

たとえ十分な蓄えがあったとしても、
その蓄えが日々減ってゆく状態に、
人はストレスを感じやすいものです。

この場合は60歳から64歳まで、
順に満期をずらして5銘柄のゼロ・クーポン債を買っておけば、
年金空白時の収入を毎年確保することができます。

たしかにドル建てという欠点はありますが、
8.5年後の100ドルを今78.07ドルで買えるという魅力があります。

さらに言えば、多くの方が将来の円安に懸念を抱くいま、
強いドルで将来の収入を確保するのも悪くはありません。

しかも前回お話ししたように、
足元では金利高(=債券安)が進んでおり、
割安な価格で米国債を買うことができます。

一方でゼロ・クーポン債ではなく、
「利付債(りつきさい)」を買うという手もあります。

利付債はゼロ・クーポン債と違って、
毎年決まった利子がもらえる債券です。

こちらも買った瞬間に、
毎年もらえる利子と満期時に受け取る元本の価額が、
ドル建てで決まります。

将来受け取る年金に上乗せして、この利子を受け取るのもいいですし、
満期時にもらえる元本を、海外旅行や自宅のリフォームに
使ってもいいでしょう。

こちらはドル建てで、
満期償還金に加え利息も確定するのがいいところです。

このように利付債にしろ、ゼロ・クーポン債にしろ、
買った瞬間に保有期間中のもらえる利子と元本が確定しますので、
ライフプランニングとの相性は抜群です。

しかも足元アメリカでは10年債の利回りが3.5%を超えており
(日本時間9/7現在)、「利回り」という点でも魅力があります。

前回の繰り返しになりますが、アメリカの国債は
ペーパーアセットのなかでの分散先として、
検討の対象になると思います。

 

では今回はこのへんで。

(2022年9月9日)




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