■半導体関連株の逆襲
みなさんこんにちは。
昨年は半導体関連株にとって厳しい一年でした、
AI半導体のエヌビディアの株価は、
最高値350ドル近辺から110ドル割れまで下げましたし、
インテルやAMDの株も随分とやられました。
日本の半導体関連株も同様で、
東京エレクトロンやレーザーテックなども高値の半値ほどまで
一時下げました。
この下落の理由は主に二つあるといわれています。
一つ目は世界的規模で進む利上げです。
金利が上がると経済モデル的アプローチでは、
特に成長株の株価が下がるとされています。
以前からいろんな機会で申し上げてきたように、
僕はこの「机上論的アプローチ」に疑問を持っていますが、
まあ市場の一般論ではそうなっているそうです。
昨年起きた半導体株下落の二つ目の理由は、
半導体サイクルによるものです。
半導体の需要には4-5年ほどのサイクルがあり、
前回のピークは2017年でした。
そこからサイクルは下降に転じ、
次のピークは2022年でした。
株価は半年から一年ほど先を見て動きますから、
昨年の下げは半導体サイクルの下降を織り込んだ動きだといっていいでしょう。
この2つの理由が重なった結果、
昨年の半導体関連株は大きく下げたのですが、
昨年末あたりから半導体を取りまく環境は随分と変わってきました。
一つ目は金利の頭打ち感です。
世界的なインフレがピークに達したとの観測から、
アメリカはじめ世界の中央銀行は利上げのペースを落としています、
足元の株価反転は利上げの停止を織り込んだ結果でしょう。
二つ目は半導体サイクル上昇の先取りです。
一昨年(2021年)あたり半導体不足に備えるため、
最終ユーザーや流通段階で半導体在庫の積み上げが進みました。
足元で在庫の調整は進みつつありますが、
それでも半導体の生産、特にメモリの生産が回復し始めるのは、
今年の後半になるといわれています。
ただし上のように株価は半年から一年ほど先を見て動きます。
昨年末あたりから関連株が上昇し始めたのは、
サイクル上昇を先読みした結果でしょう。
加えて今注目されているのは
・高度な処理性能を持っているAI半導体、
・今後のEVやスマホなどに必須といわれるパワー半導体、
・さらに集積度を高めるために有効な三次元積層半導体(3D半導体)
など先端半導体です。
半導体の高性能化は人類の進歩にとって不可欠で、
これら先端半導体分野は長期的視点でも投資が集まると僕は思います。
冒頭のエヌビディアの株価は210ドルを超え、
すでに昨年末安値の2倍の水準ですが、
半導体関連株の逆襲は始まったばかりだと僕は思います。
足元では四半期決算の悪い数字に引っ張られ、
決算発表後に下落する銘柄が目立ちますが、
むしろそこはチャンスだと思います。
仕込んでおかれソンはないでしょう。
では今回はこのへんで。
(2023年2月16日)
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