■発想を変えないとズブズブ沈む
みなさんこんにちは。
戦争が終わって80年近く、
この間の前半50年は日本にとって黄金時代だったといえるでしょう。
人口が増え、
就労人口も増え、
勤勉な労働者は意欲的に働き、
その結果、会社の競争力が高まり、
競争力が高い商品を輸出し、
会社は賃金を通して富を国内に運びました。
その結果、日本人は格段に豊かになり、
インフラや住宅、保有資産も厚くなりました。
でも後半の30年はご存じのような状態で、
上のプロセスの逆回転に終始しています。
でも、
成長期の50年があまりに長かったため、
私たちの意識や行動は、
いまだあのよかった時代を引きずっているように思います。
本来私たちがとるべき行動は、
前半でため込んだ豊かさを利用し、
生活水準を維持することではなかったでしょうか。
つまり日々肉体や頭を使ってお金を稼ぐだけでなく、
ため込んだ資産を運用して豊かさを維持することで、
そこには発想の転換が求められます。
ところが、
あまりに50年が長すぎて、
「おカネは自分で稼ぐ」という意識が強く刷り込まれたまま、
逆にいえば「持っているおカネでおカネを稼ぐ」という意識がないまま、
後半の30年を過ごしてしまったように見えます。
その結果が、
多くの人が資産の大半を銀行に預けておくという、
保守的な行動の定着です。
今ならまだ間に合うと思います。
会社が海外から富を持ってこれないのなら、
私たち一人一人が持ってくるしかありません、
それができなければ、
これからの30年もズブズブ沈むしかありません。
その結果、
超リッチな人は「ちょっと水面が上がってきたネ」くらいで済むでしょうが、
大半の人は上半身までどっぷり水につかってしまうでしょう、
なかには完全に沈んでしまう人も出てくるかもしれません。
そうならないために、
私たちは手持ちの資産を海外で運用し、
一人一人が海外の富を自分の手元に流し込む仕組みをつくるべきだと思います。
その点で僕は積立NISAは素晴らしい制度だと思います、
2024年からは無期限になりますし、ワクも随分と広がるそうです。
手間いらず、
ドルコスト平均(=「毎月一定額の積み立て」)
非課税、
この3点セットは一般の生活者にとって極めて有益な特性です。
でも、
積立枠が小さいと感じる富裕層、
年齢的に積立が間に合わないリタイア層、
一定以上の金融・経済分野の知識があるひと、
これらの人にとって積立NISAは使いづらいと思います、
そのような方はやはり基本に立ち返り
質的分散
地理的分散
を心掛けたポートフォリオの構築が求められるでしょう。
地理的分散という観点から、「海外株分散型インデックスファンド」のような海外運用は重要です。
株式ファンドは会社の集合体です、
つまり「海外株分散型ファンド」の保有者は、
海外の会社で働く従業員たちのガンバリの結果得られた富を、
自らの取り分として得ることができるわけです。
紙の資産の保有が不安なら、
貴金属の現物やアンティーク・コインへの分散が有益で、
言い換えればこれは資産の質的分散です。
世界同時的に起きるショック、
たとえば金融ショックや地政学的混乱、パンデミックなどに対し、
現物資産は効果を発揮するでしょう。
積立NISAの活用にしても、
富裕層むけの「質的分散、地理的分散」作戦にしても、
戦後80年の間、私たちの頭に刷り込まれた発想からの転換が求められる投資行動です。
でもその実践を通して、
私たちは水面下への沈没を回避できると思います。
では今回はこのへんで。
(2022年11月17日)
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