■収穫期に入る半導体株
みなさんこんにちは。
半導体関連株は2021年10月をピークに、
およそ1年ほど下げ続けました。
この領域で投資している人にとって、
厳しい1年だったのではないでしょうか、
実をいうと僕自身もその一人です。
半導体株は浮き沈みが大きいという印象がありますが、
浮き沈みが激しいのは株の世界では普通です。
消費関連やレジャー、鉄道、空輸など、コロナでだいぶやられましたし、
インフレで活況だった海運株も、今ではすっかり宴の後といった趣です。
どの領域で勝負しても、それなりに面白いし儲けることもできますが、
大切なのはご自分が勝負しているマーケットの特性を知っているかどうかだと思います。
たとえば僕は前職の職業柄、
テクノロジー株が得意です、テクノロジー株といえば、
ざっくりした言い方ですが、もっと範囲を絞るなら電子部品と半導体です。
特に儲けやすいのは半導体株です、
なぜなら半導体にはシリコンサイクルと呼ばれる3-4年ほどのサイクルがあり、
株価もこのサイクルに従って波を作ることが多いからです。
でも半導体関連株といっても、ひとくくりにはできません、
半導体の原料であるシリコンの塊をウエハー状にカットする会社(いわゆる川上企業)から、
製造された半導体を検査する検査装置メーカー(川下企業)まで、
さまざまな会社があるからです。
そのメーカーが半導体生産のどの部分に携わっているかによって、
株価が描く波の形は違います。
また半導体と一口に言っても、
エヌビディアが作る最先端のAI半導体もあれば、
サムスンやマイクロンなどが得意な半導体メモリーもあります。
つまりその会社が作る製品によって、
シリコンサイクルの影響をどの程度受けるか、
かなりのばらつきがあるのです。
でも逆に言えば、
その会社の製品をしっかりと理解しておけば、
株が描く波の形状をある程度予測することは可能です。
このあたりが電子部品株や鉄鋼株、商社株、海運株などと違うところです。
もちろんその業界に精通している方から見れば、
電子部品株や鉄鋼株、商社株でも予想できるのかもしれません、
でも先ほどお話ししたように、半導体にはほかの業種で見られない、
比較的明確なサイクルがあり、その点で3年、4年といった時間軸で、
相場の行先を予想しやすいと僕は思っています。
そのような観点でいえば、
半導体株はこれから儲けの収穫期に入ります。
前回のシリコンサイクルの底は2019年の第1から第2四半期でした、
そこから半導体市場は拡大期に入り、ピークを付けたのは2021年の
第1四半期でした、この間がちょうど2年ほどです。
その後はサイクルは下降局面に入り、足元(2023年第2四半期)で、
底を打ちそうです。
株価はサイクルの底入れを先取りし、すでに昨年の末から反転し、
今はサイクルのピークを先取りする形で上昇中です。
もし次のサイクルが4年なら、
足元のシリコンサイクルのピークは2年後の2025年の年央当たりでしょう。
さらに株価が1年前倒しでピークを先取りするならば、
半導体株のピークは2024年の真ん中あたりではないかと思います。
では今回はこのへんで。
(2023年5月18日)
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