| ■揺らぎだしたドル基軸体制 
 みなさんこんにちは。 8年前、アメリカのオバマ大統領はこういいました、「もはやアメリカは世界の警察ではない」
 この言葉はアメリカ一強時代の終焉を象徴していたと思いますし、その流れはもう止めようがないと思います。
 ロシアのウクライナ侵略を止めることができませんでしたし、中国による覇権への挑戦も延々と続きそうな雰囲気です、
 さらにインドも経済力を高めています。
 アメリカは日本や韓国、ヨーロッパなどの友好国と手を組んで、世界の秩序を維持してゆくしかなさそうです。
 僕は一国の通貨は国力の投影だと思います。 かつて世界の覇権を握っていたころのイギリスは、その通貨ポンドによって世界を影響下に置きました。
 そして覇権がイギリスからアメリカに移るとともに、基軸通貨はポンドからドルに移動いたしました。
 アメリカの次に覇権を握るのはどこでしょう、中国でしょうか、それともインドでしょうか・・・
 中国はすでに成長のピークを越えていますし、インドが覇権を握るのは、すくなくともむこう四半世紀はないでしょう。
 であれば考えられる近未来は、どの国も圧倒的な覇権を持たない、いわば混沌の時代だと思います。
 ドルの基軸体制に陰りは見えるが、かといってドルに代わって基軸になる通貨も見当たりません、
 いわば基軸通貨においても混沌の時代がやってくるのだと思います。
 そのような混沌の中で見直されるのは金(Gold)だと思います。 僕は前回のメルマガで「金は壁にピン止めされたアンカー」だといいました。 ここ20年ほど金価格が右肩上がりなのは、金が値上がりしているのではなく、
 ドルはじめ世界のお札の価値が薄まっているのだとも言いました。
 今後さらにアメリカの覇権は弱まり、ドル基軸体制という長らく続いた秩序が崩壊するなかで、
 いわば消去法的に金の価値が上がると考えておくべきでしょう。
 3月に起きたアメリカ発の金融不安は、まだ熾火のようにくすぶっていますが、これも大きな目で見れば現在のドル基軸体制の揺らぎの象徴だと思います。
 つまり大量のドル紙幣の印刷が金融不安の遠因になると同時に、ドル基軸体制を揺るがす要因にもなっているのだと思います。
 そしてドル基軸体制が揺らぐなか、無国籍通貨として金の価値が見直される・・
 これが現在起きている金価格の上昇の構図だと思います。 そして次の基軸通貨体制が固まるまでお札の価値は下がり続け、その反対側にある金の価格は上がり続けると僕は思います。
   では今回はこのへんで。 (2023年4月24日) 
 
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