半導体株の売り場を考える-1

みなさんこんにちは。

昨年末を底に、半導体関連株は上昇に転じました、
このメルマガや弊社のレポートなどで、僕は半導体関連株への投資を
お勧めしてきたつもりです。

どれほどの方が推奨に乗っていただいたかはわかりませんが、
もしそのような方がいらっしゃったら、それなりの成果を挙げて
いただけたのではないでしょうか。

でも問題はこの後です。

なぜならこのメルマガでたびたびお伝えしているとおり、
半導体には需要のサイクルがあり、そのサイクルに乗っかって、
関連株も大きく上げ下げするからです。

下げ相場で印象的なのは、
前回の下げ相場です。

半導体のサイクルの頂点は、2022年の半ばあたり(注)だったと思いますが、
関連株はそれを先取る形で2021年の11月あたりにピークを迎えました。

注)販売額ベースでみたピークです

そこを頂点に関連株は下げ続け、
ちょうど1年後の2022年末まで下げ続けました。

例を一つあげるならエヌビディア株です。

同社の株は半導体関連株がピークを迎えた2021年の11月に、
310ドル台の最高値に達しましたが、それ以降なんと1年間にわたって
一直線に下げ続け、翌年(2022年)10月に110ドル台を付けています。

この間、同社株は1/3ほどになった勘定です、
よく半値八掛け二割引(注)などといいますが、
全くその通りでした。

注)0.5×0.8×(1-0.2)≒0.32

でもその後の生成AIブームなどもあり現在の同社株はすでに470ドル近辺です、
あのころ同社株を買った人は、
今回の半導体サイクルをうまくとらえたといえるでしょう。

エヌビディア株は一例ですが、
いわゆる半導体関連株はおしなべてこのような経緯をたどっています。

さて問題はこの後です。

最近僕はお客さんからこんな質問をよくいただきます、
「田中さん、半導体株が随分値上がりしましたが、
今から買ってまにあいますか?」

僕の感触では半導体株の現在の位置は、
富士山の6合目あたりです。

なのでこれから乗り込んでも多少のうまみはあると思いますが、
乗ったサイクルはどこかで降りなければなりません。

つまり「売り場を意識して買いましょう」ということです。

すでに半導体サイクルに上手に乗られた人も、
富士山の6合目で乗る人も、
等しく目の前には2つの選択肢が提示されていると思います。

一つ目の選択肢は、長期投資と割り切って、
言い換えればサイクルを無視して半導体に乗り続けるという考え方です。

ある意味これは株式投資の王道です。

株式投資は短距離走ではありません、
マラソンのように一生かけてやる価値のあるものだと僕は思います。

突き詰めて考えると、
株式は人間の経済活動という、
本来数値化しにくいものを数値化し、
さらにそれを証券化したものです。

人間が経済的に進歩するならば、
必然的に株式の価値も上がってゆくのが道理というものです。

逆にもし株価が長い目で見て右肩上がりの線を描かないとしたら、
それは私たち人間の生産性が停滞し、経済活動が頭打ちに
なることを意味しています。

つまり一言でいえば人間が経済活動を止めない限り、
長期的に見て株価は上がる(注)ということです。

注)ただし個別の銘柄はこの限りではありません

このような考えに立つならば、
目先半導体サイクルの下降によって株価が下げたとしても、
株を売る必要などありません。

半導体サイクルはせいぜい片道2年ほどのものです、
先ほどのエヌビディアのように、たとえ持ち株の価値が半値八掛け二割引になったとしても、
たったの2年ほどの我慢です。

さきほどのお話し通り、人間が進歩する限り半導体は高性能化してゆくのは
間違いありません、その結果、次のサイクルのピークが、
前回のピークを上回ると考えるのが素直な解釈でしょう。

であれば関連株の価値も同様で、
株価は前回のピークを上回ると考えていいはずです。

こんな考え方に立てば、
半導体のサイクルなど無視して持ちづけるという選択肢は、
理にかなった選択肢といえるでしょう。

半導体株の処理について、
私たちがとりえる選択肢の2つ目は、
株価がピークに到達する前に売るという考え方です。

半導体はサイクルが明確なだけ、
自動車や機械などに比べてタイミングはとりやすいと思います、
それだけにこの選択肢もアリだと僕は思います、
少し山っ気はありますが・・・。

ではその「降りどき」はいつなのでしょう。

少し長くなってきましたので、
この続きは次回お話ししたいと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2023年7月20日)




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