■果たして異常な株高なのか
みなさんこんにちは。
ここのところいい感じで日本株が上がっていますね、
毎日のように聞く「33年ぶりの株高」です。
でも僕は今の株高は異常だとは思いません。
確かにこのスピードはすごいですが、
過去を振り返ればこの程度の急騰はさして珍しくもありません。
たとえば2020年3月から6月にかけ、
コロナショックの反動で株価は急騰しましたが、
この間の上昇率は41%を超えました。
また2020年の10月から12月にかけての上昇も大きく、
この間の上昇率は20%を超えました。
足元の上昇率もすごいですが、それでも
5月から現在までの上昇率は16%ほどにすぎません。
「33年ぶり」というニュース性もあってすごい出来事のように感じますが、
上昇率自体はさほどでもないことがわかります。
株高の前提となる企業業績も悪くはありません、
2023年3月期も過去最高益(注1)でしたが、
今期(2024年3月期)はそれを上回りそうです(注2)。
注1)2023年3月期の増益率は前年比+2.1%
注2)野村證券は、(金融除く主要266社の)2024年3月期の増益率を前年比+7%
と予想しています
一方でPERは来期予想ーベースで15.3倍(日経平均採用銘柄の平均)です、
この数年の日本株のPERは13倍あたりが定位置でしたから、
たしかに少し高い気もします。
でも15.3倍は、日本の会社の成長率に対する評価の高まり
といえなくもありません、ご参考までに現在のアメリカ株(S&P500ベース)の
予想PERは23倍ほどです。
一国の株式市場の平均PERは、
その国の成長性への期待を反映している場合が多いように思います。
そのような観点で今の日本を見るとどうでしょう。
先週のメルマガでお話ししましたが、
日本にはジミではありますが、その会社がないと世界中が困る製品を持った
優良企業がたくさんあります。
最終製品ではないので一般には知られていませんが、
たとえば韓国の半導体企業への輸出管理で話題になったフッ化ポリミイドや
レジスト、フッ化水素などは日本企業が世界のシェアの70-90%を
持っています。
ほかにもEUV検査装置のレーザーテックや炭化ケイ素素材の切断装置で
高いシェアを持つタカトリなど、小粒ではありながらピリリと辛い会社が
たくさんあります。
足元で若干PERが上がっているのは、
このような会社の技術力を、海外の投資家が正当に評価し始めた
結果ではないかと僕は思います。
前回も申し上げたように「灯台下暗し」です。
なにより私たち日本人には地の利があります、
有望な技術を持った会社をしっかりと見極めて、
長期的な株高の恩恵をしっかりと享受したいものです。
では今回はこのへんで。
(2023年6月16日)
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