ドイツに負けた日本

みなさんこんにちは。

今年日本のGDPがドイツを下回り、
世界の4番目に後退するそうですね。

注)IMFの予想

僕はこの新聞記事を見て少し意外でした。

たしか近々インドに抜かれて4位になるとは聞いていましたが、
なんでドイツなんでしょう?

おそらくは為替レートが影響していると思います、
昨年来、日本円はドルに対して随分と安くなりました。

上の順位はドル換算した値なので、
円がドルに対して安くなると、
必然的に日本のGDPは小さくなってしまうのです。

一方でドイツの通貨ユーロはどうでしょう、
ドルに対して多少は安くなっていますが、日本円ほどではありません、
この影響でドル換算したドイツのGDPは、日本に比べ相対的に
増えた面もあると思います。

注)2022年の年初時点と比べると、ユーロはドルに対して7.8%安く
  なっていますが、円は30.6%も安くなっています。

つまり今年、突然のように日本のGDPがドイツに抜かれ4位になるのは、
円安の影響が大きいといえるでしょう。

でもだからといって安心などしていられません、
そもそもなんでこんなに円が安くなってしまったのでしょうか。

この問いに対し、
きっと多くの方はこのように答えるでしょう。

「それは日本がいまだにマイナス金利を維持しているからだ」

たしかにその通りでしょう。

ではアメリカやEUが利上げをする中で、
主要国で唯一日本だけなぜ利上げできないのでしょうか?

僕はここに円安問題の本質があると思いますし、
この問題に手を付けない限り今後も円安が進み、
日本の地盤沈下は続くと思います。

ではあらためて、
なぜ日本は利上げできないのでしょうか。

それはマイナス金利によって経済を下支えできると、
日銀と政府が考えているからです。

でも僕はこの考えは間違っていると思います。

たしかに金利が上がると、生産性が低い中小企業は支払利息の
増加に耐えれなくなり、その結果、経営状態は悪化するでしょう、
そして倒産に追い込まれる会社も増えるはずです。

でもだからといって、
私たちはいつまでも低金利というぬるま湯にどっぷりつかり、
新陳代謝を止めてしまっていいのでしょうか。

厳しいことを言うようですが、
低金利に依存したゾンビ企業を温存していいとは思えません。

はたして金利の支払いすらできないほど生産性の低い会社に、
存続の意味があるのでしょうか。

一つ一つの会社を経営する生身の経営者にとって、
倒産が身を切るような苦痛を伴うことはよくわかります、
まがりなりにも僕自身も会社の経営者として、
その痛みはわかるつもりです。

でもそこで働く従業員はどうでしょう、
たしかに会社の倒産によって失職し、いったんは収入はなくなりますが、
人生それでおしまいではありません。

政府が学び直しの機会を提供することにより、
いまなら国民はITやAIのスキルを取得したり、
調理師の免許や特殊車両の運転免許、
家具の組み立てや伝統工芸の世界など、
それぞれ自分の居場所を見つけることはできると思います。

そのような専門職でなくても、
飲食やホテルなどで急速に人手不足が進みつつあります。

ゼロ金利によってかろうじて生かされている、
先も見えないゾンビ企業で低賃金の仕事に縛られるより、
よほど高給を得るチャンスがあるし、
そのほうが働き手も幸せだと思います。

じっさいに低金利というぬるま湯状態を政府と日銀が作っている間に、
世界はどんどんチャレンジして成長しています。

その結果が、円安でありGDP4位なのだと思います。

先に進むことを怖がっていては、
どんどん衰退してゆくだけです。

今からでも遅くはありません、
おそれずにゼロ金利を解除して、
日本まるごと新陳代謝に踏み出すべきではないでしょうか。

政府の役割は保護やゼロ金利ではなく、
セーフティネットの整備と学び直しの機会の提供だと僕は思います。

 

では今回はこのへんで。

(2023年10月26日)




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