上昇期に入る半導体株

みなさんこんにちは。

いつか僕はこのメルマガで、
こんなお話をしました。

1.半導体サイクルの次のピークを2025年半ば⇒2026年半ばに見直し
2.上記に伴って関連株のピークも2024年末⇒2025年末に見直し
3.半導体サイクルの底入れが後ずれすることにより、目先の関連株は短期の調整期に入る
4.2025年末時点のナスダックは前回ピークの1.5倍程度を目安にしたい、
 すなわち24,000あたり、2025年末以前にその水準に達するなら、
 その時点でバブルの可能性を疑ってみる

上のメルマガを書いたのが今年の7/26ですから、
はや3か月以上が経ちました。

上のメルマガを書いた時点では、半導体サイクルのボトムは2024年1-3月と
みられていましたが、市場ではこの見通しを支持する材料が増えてきました。

たとえば決算発表時に、各社の経営者から半導体サイクルの底入れを
示唆する発言が増えてきたように思います。

また鉱工業生産指数などデータ面から見ても、
電子部品・デバイスの在庫は適正化しつつあります。

さらに世界の大手半導体メーカーの決算もこれを裏付けています。

あいかわらずPCの需要は低迷を続けていますが、
台湾のTSMCや韓国のサムスンの四半期決算を見ると、
3ナノクラスの高性能半導体の需要は回復しています。

調査会社ガートナーによると、今年(2023年)のAI半導体の市場は、
対前年比で20.9%増えると予想していますし、半導体全体をみても、
23年4-6月期の世界半導体販売高は、前四半期(22年4-6月期)に
比べ4.7%増えたといいます。

注)米国半導体工業会

長いあいだ半導体市場は低迷が続きましたし、
半導体需要の底打ちも、まるで逃げ水のように先にずれてゆきました。

でもようやく底打ちが見えてきたといってよいでしょう。

もちろんサイクルの底打ちは、
半導体株にとってはおいかぜですが、
さらに注目しておきたいのはアメリカの金利です。

週明けから大騒ぎになっていますが、
アメリカの金利は日本がお休みしている間に急降下しました。

同国の10年債利回りは一時5%を超えましたが、
先週末から一気に4.4%台まで急降下しました、
それ以降やや戻していますが、それでも現在は4.6%台です。

振り返ればここ2年程ずっと、
金利の上昇は半導体株の下げ要因だと言われ続けました。

理由は二つ、

一つ目は

・金利の上昇⇒将来の株価を金利モデルで割り引いた現在価値の下落⇒株価の下落

二つ目は

・金利の上昇⇒会社が調達する資金に対する利払い費の増加⇒会社の減益要因

です。

いつかこのメルマガで書いたように僕はこの考えには反対ですが、
まあ市場がそう動くのであえて逆らわないことにしています。

でも逆に上の理屈が正しければどうでしょう、
今起きている金利の急降下は株価の上昇要因になるはずです。

特に金利の上昇によって大きく下げているハイテク株、なかでも
半導体関連株の反発力は大きいはずです。

改めてここで整理しておきましょう。

一つ目は半導体サイクルの底入れが見えてきた点、
二つ目はアメリカの長期金利の下落。

このように半導体株の上昇要因が二つ揃った形です。

3か月ほど回り道をしましたが、
いよいよ半導体株上昇の環境は整ったと僕は思います。

 

では今回はこのへんで。

(2023年11月7日)




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