AIなら何でも買われる時代に

みなさんこんにちは。

世のなかAI祭りのような状態ですね。

昨年まではエヌビディア一極集中の観がありましたが、
最近では社名にAIを連想させるような言葉があればカイですし、
取扱商品にAIを連想させるものがあってもOKのようです。

かなり投機的なおカネが入っているのは間違いないでしょう。

こんな状態を見ると僕などは、
かつてのドッットコムバブルを思い出します。

2000年のはじめあたりだったでしょうか、
アメリカでは社名にドットコムという文言が入っているだけで、
株価がガンガン上がったものです。

当時僕はある日本のメーカーに勤めていましたが、
あるアメリカの金融関係者(だったと思います)から、
「本社をアメリカの西海岸に移し、社名にドットコムを付けると
株価はもっと上がるよ」などと、冗談交じりで提案を受けたそうです。

さすがに当時の社長は偉かった、
「今の自社の株価は高すぎて不愉快だ」と切って捨てました。

でも多くのアメリカ人や日本人はドットコムバブルに踊り、
そして数年後に痛い思いをしました。

そんな経験を僕はしたので、いまのAI騒ぎを見ていると、
「ああまたか」と思ってしまうのです。

といっても僕は、
AIが一過性のから騒ぎに終わると考えてはいません。

PCやスマホ、インターネットやITが、
私たちの生活になくてはならなくなったように、
AIもまた広く私たちの生活に組み込まれていくと思います。

株の世界でもっとも大きな影響を受けるのは、
AIのキーコンポーネンツを作る会社、
まず筆頭に挙がるのはエヌビディアであることは、
間違いありません。

この会社はAI市場の源流を押さえており、
なおかつその源流で圧倒的な技術力をもっています。

次に有望なのは、その源流で対抗できる技術を持つ会社、
たとえばインテルやAMDなどで、これらはエヌビディアの
亜流といっていいでしょう。

ただし亜流には本流ほどの利益は流れ込まないでしょう。

源流からやや離れた中流域にある会社は、
アドバンテストやASML、レーザーテックなど、
先端半導体向け製造装置や検査装置、薬品や部材などで
高い技術力を持つ会社群です。

中流域は源流に比べ流れは緩やかですし、
多くの支流があるだけに儲けは少ないと思いますが、
それでもソコソコの利益は流れ込むでしょう。

さらにもっと下流に行くとこの傾向は高まります。

川下にいるのは、
AIを使った顧客管理やシステム開発、市場分析など、
主にアプリケーションやサービスなどを提供する会社群です。

大きな川は下流に行くに従って支流が増えますし、
流れもまた緩やかになります。

でも投機家にとっては、
実際にどの程度の水が流れてくるかなんて関係ありません。

ちょっとでもAIの匂いがすればそれでOKです。

今の日本株をみると、せいぜい買われているのは中流あたりまでで、
まだ川下企業まで買われているようには見えませんが、
それでも「AI川下バブル」の兆候はあります。

このような「AI泡沫企業」の株はいずれ淘汰され、
本当にAI本格普及の恩恵を受ける会社の株だけが、
生き残っていくでしょう。

 

では今回はこのへんで。

(2024年3月14日)




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