■金利のある日本で
みなさんこんにちは。
先日、日銀がゼロ金利解除を決めましたね。
もうずいぶん前から言われ続けてきたことではありますが、
こうやって現実にゼロ金利解除を目にしますと、
なんだか日本中がパッと明るくなったような気がします。
ゼロ金利解除といっても、政策金利の誘導目標がマイナス0.1%から
0.1%(注)に引き上げられただけですから、わずか0.2%の利上げ
にすぎません。
注)正確にいうと0%から0.1%です。
でも、この0.2%は大きいと思います。
なにしろ日銀がマイナス金利を導入したのは2016年の2月ですから、
この間、8年ほども「マイナス金利という超ぬるま湯状態」が
続いていたことになります。
振り返ると、この8年だけでなく30年も日本では、
デフレと低成長、低賃金など、なにをとっても「低」と「安」でした。
経済的なショックに対し、一時的なゼロ金利は必要な政策だと思いますが、
30年も続けるのはどう考えてもおかしいです。
この間、会社だけでなく、私たち皆がゼロ金利というぬるま湯に
慣れきってしまい、改革に取り組む子持ちを失ってしまったのではないでしょうか。
その結果、国際的な競争力はズルズル低下してしまい、
それがまたゼロ金利の長期化を招くという悪循環でした。
あまりに長く低迷期が続いたので、
僕のように長く生きてきた人間でも、
かつて日本が元気だった時代を忘れかけていました。
そこにやっと訪れたマイナス金利の解消です。
ようやく私たち日本人も水面上に顔を出し、
太陽の光を浴びられる状態になったと言えるでしょう。
こうやってあらためて水面上に顔をだすと、
陽の光のありがたみがよくわかります。
そんな太陽のもとで、自社の製品やサービスに対し、
正当な値付けがでるようになった企業の業績は高まり、
株価は上がるでしょう。
そしてそんな会社が増えてゆくことによって、
日本の株価全体も上がってゆくはずです。
正当な値付けができるようになった企業は、
従業員のお給料を増やしますし、ながらく使ってきた
設備の更新もできるようになるでしょう。
その結果、多くの会社は優秀な人材と新しい設備を手に入れ、
国際競争力を取り戻すことができるはずです。
債券の利回りは上がりますから、
生命保険や銀行の収益環境は改善し、
日本人の多くは預金や生命保険、公的年金などを通し、
マイナス金利解除の恩恵を受けるでしょう。
一方で住宅ローンの利払い増加やインフレによる支出増、
政府による利払い費の増加などなど・・・、
こんなマイナス面も確かにありますが、
プラス効果とマイナス効果を天秤にかければ、
圧倒的にプラスが大きいのは間違いありません。
でも問題はこの先です。
日本経済の好循環が一過性のものに終わるなら、
また30年続いた「低」と「安」の時代に逆戻りです。
その意味でも日銀は安易にマイナス金利に戻さないでほしいですし、
企業も構造改革を進めて金利のある世界に適応してほしいものです。
では今回はこのへんで。
(2024年3月21日)
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