人生何が幸いするかわからない

人生何が幸いするかわかりません。

僕は新卒で三洋電機という会社に就職したのですが、最初の配属先は財務部でした。財務など取り立てて興味もないし、当時の花形は企画や広報など、ちょっとかっこいい響きがある部署でした。

そんなこともあって決してうれしくはなかったのですが、入社したらそんなこと関係ありません、仕事を早く覚えたいという意欲もあったし、なにより仕事は面白かった・・・。
どんどんのめりこみましたし、仕事もたくさん覚えました。

僕が配属された部署は連結管理課といって、三洋電機グループ内の会社群をひとかたまりとみなし、決算書としてまとめ国内外の投資家に向けて発信するのがお仕事でした。

ときにはグループ会社に派遣され、工場の原材料、仕掛品、製品などを勘定したりもしましたし、アメリカやブラジルなど、海外に点在する子会社から送られてくる決算書を読み、日本円に換算したり日本の会計基準に合わせて修正するといった仕事もしました。そういえば係争事案の英文への翻訳などもやったっけ。

そんな日々の仕事の中で、僕は徐々に決算書の読み方を覚えましたし、財務指標などからその会社の健全性など分析できるようになりました。会社の中枢部でのこんな生きた経験は貴重で、たとえ大株主やアナリストでも外部の人が覗ける場所ではありません。

この経験は僕にとって素晴らしい財産になりました。

株式投資には財務諸表の分析が欠かせませんが、いまでも損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー表や在庫、販売、受注状況など開示された資料を読むと、その会社の特性や健全性などわかりますし、ときには会社のトップや担当者の胸の内が、透けてみえてくることもあります。

わずか1年と半年の経験ではありましたが、その経験はいまも僕のなかに生きていますし、それが投資に役立っています。

人生何が幸いするかわかりません。

 

(2024年8月31日)




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