金と銀、そしてプラチナ

今月の商品相場は幅広いセクターで上がりました、目立って上昇したのは貴金属です。先月すでに金価格の上昇とその理由についてお話ししましたので、今回はグラフだけの紹介にとどめておきます、以下は金(Gold)の先物価格、2012年以降のグラフです。

(金のスポット価格:2012年以降の推移:Investing.comのサイトより転載)

対比のため、今回は銀とプラチナのグラフも見てください、時間軸はあわせています。

(銀のスポット価格:2012年以降の推移:Investing.comのサイトより転載)

(プラチナのスポット価格:2012年以降の推移:Investing.comのサイトより転載)

この3つの貴金属を並べてみる機会はそう多くはないと思います。いかがでしょう?それぞれに特徴があって面白いですが、グラフの形状の違いは、3つの貴金属の性格の違いをよく表していると思います、以下少しまとめてみます。

  1. 銀とプラチナは2012年あたりが高い、その後をみると銀は2020年以降上がっているが、プラチナは今に至るまで低迷している
  2. 金も2012年あたり高いところがあるが、銀よりも早く2016年に上昇に転じ、その勢いは足元でさらに増している
  3. 2012年から2016年までの下げ局面をみると、(グラフのメモリが違うのでわかりづらいが)銀の下落率は60%を超えて最も大きい、次いでプラチナが大きく約50%、金が最も小さく40%ほど

このように同じ貴金属でもグラフの形は全く違います、上記のようにこれは性格の違いによるもので、この違いを知っていると今後の投資に役立ちます。以下は僕が考える性格の違いです。

  1. 金は市場規模が最も大きく、したがって値動きは小さい。銀とプラチナは市場の規模が小さく、投機的なファンドの思惑によって大きく値が動く
  2. 金は産業用途が小さく、したがって景気変動の影響をさほど受けない。銀とプラチナは産業用途が大きく、景気の影響を受けやすい。銀の用途は比較的分散しているが、プラチナはその40%ほどが自動車の触媒として使われる。今のようにEV拡大の思惑が広がればプラチナの需要は増えない
  3. 金は通貨的性格を持っており、ドルはじめ既存の通貨への不信が台頭すれば、代替通貨として買われる、一方でプラチナにはそのような機能はない。銀は一部で通貨的性格を持っており、金に引っ張られて値が上がる面もある

 

(2024年9月30日)




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