■1ドル157円、その先は
みなさんこんにちは。
新政権が誕生して以来、
円安と金利上昇が急速に進んでいます。
特に金利の上昇は速く、
昨日10年債利回りは一時1.83%を超えました、
1.83%と聞いてもピンとこないかもですが、
これはリーマン・ショック直前の2008年6月以来、
およそ17年と半年ぶりの水準です。
より上昇が顕著なのは30年債や40年債など、
いわゆる超長期債と呼ばれる足の長い金利で、
足元の水準は30年債が3.3%台、
40年債で3.6%台とちょっと二度見するレベルです。
為替のほうはより私たちの生活に関係が深く、
皆さん気にされていると思いますが、
半年ぶりに1ドル=157円台に乗せてきました。
このような動きは特に高市さんが首相になった10月の下旬から顕著です、
市場は何を織り込もうとしているのでしょう。
その高市さんの経済政策は明確で、
一言でいえば積極財政です。
予算の規模を膨らまし、インフレ対策や成長投資、防衛費の増額などに積極的に配分し、
日本の国力を高める発想のようです。
今日決める総合経済対策を見ても予算の規模拡大が顕著で、
総額で21.3兆円にもなるようです。
内容を見ると
インフレ対策11.7兆円
防衛力の強化1.7兆円
成長投資による強い経済の実現7.2兆円
などの項目が並んできます。
はたして今の日本経済で、
これほどまで大きな経済対策が必要なのか疑問です。
たしかにインフレで苦しんでいる人は多いですが、
11兆円も予算をつけるほど今の日本におカネがあるでしょうか。
このような身の丈を超えた財政出動によって、
市場は日本の財政に対して再び懸念を持ちはじめているのでしょう。
それが足元で急に進む円安の要因です。
インフレの影響を和らげるため予算を膨らました結果、
市場は日本の財政に不安を持ち円が売られる、
こうして起きる円安の結果、輸入品の値段は上がり、
それが逆にインフレを呼ぶ・・・、
つまりインフレ対策を目的とした財政の拡大が、
かえってインフレを誘発するということです。
これは高市さんが意図した逆の動きで、
庶民の生活はさらに苦しくなるでしょう。
もう一つ指摘しておきたいのは「成長投資7.2兆円」の危うさです。
成長投資が必要なのはその通りですが、
果たしてこの7兆円によって日本は成長力を高めることができるでしょうか。
高石さんは先日「日本成長戦略本部」を立ち上げ、
17の重点投資分野を設定しました。
AI半導体や量子コンピューター、航空宇宙、造船・・などなど多岐にわたります、
一つ一つを見れば僕も「ぜひ頑張ってほしい」とは思いますが、
果たしてこれだけ幅広い分野に資金を分散して効果をあげられるのでしょうか。
ラピダスの例をみても、メニューを並べて予算付けすればOKというわけにいきません、
どの分野をとっても成功まではいばらの道です、
中途半端な頑張りで成功はおぼつきません。
振り返れば高市さんが手本にする安倍さん時代ですら同様でした、
3本の矢のうちの一つとして成長戦略をあげましたが、
その成長戦略は機能しませんでした。
おそらく高市さんの成長戦略は安倍さんに倣ったのでしょうが、
今回もまた同じ轍を踏むと僕は思います。
これだけ大風呂敷を広げ、なおかつ大きな予算をつけ、
結果が出なければいったいどうなるでしょう。
成長戦略がうまく運べば経済は成長し、税収も増えます、
結果的に財政も好転します。
つまりリターンはプラスです。
でも成長戦略うまくいかなければどうでしょう。
財政は膨らむ一方、税収は期待ほど増えず、
結果的に赤字は膨らみマイナスのリターンです。
冒頭ご紹介した円安と金利の急上昇は、
市場が高市さんの経済政策に対して持っている不安の現れだと思います。
決して僕はそのようになってほしいと願っているわけではありませんが、
残念ながら悲観的な方向に進む可能性が高いと思います、
ではこの先、ドル円相場や長期金利はどう動くでしょう。
結論から言えば円安はさらに進み、
長期金利の上昇は止まらないと思います。
インフレが進みますから株はあがるでしょうが、
日本で株を持っている人はまだ少数派です。
そこから漏れた大半の庶民は円安によるインフレ進行に苦しみ、
さらに金利の上昇によって住宅ローンの利払いが増える、
庶民にとってはこんな厳しい時代に入っていくと思います。
では今回はこのへんで。
(2025年11月21日)
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