■安全性でコインを買うならば-2
みなさんこんにちは。
前回は安全性が高いコインとして、
日本で天正から江戸期に発行された大判・小判を紹介しました。
今回は同様の観点で、
古代ギリシャ・ローマあるいは古代オリエントのコインを紹介します。
古代ギリシャ、古代ローマはなじみ深いと思いますが、
案外と私たち日本人にとって古代オリエントはなじみが薄いように思います。
オリエントは世界文明の発祥地の一つで、
いまのトルコやシリア、ヨルダン、イラク、イランなど含む西アジア、
あるいはさらに古代エジプトまでを含む広い地域を指します。
たとえばこの地域は世界最初の金貨、
「リュディアのスターテル」を発行したとことで世界コイン史に名を残していますが、
この金貨はその歴史的な価値に比べ十分に評価されているとは思えません。
同様に、アケメネス朝ペルシアでBC5-4世紀に発行されたディナール(「走る王」)、
あるいはプトレマイオス朝エジプトでBC3世紀に発行された大型金貨、
オクタドラクマなどなど・・・
確かに10年単位で見ればジワジワと値を上げていますが、
それでも近代ヨーロッパの大型金貨の値上がりに遠く及びません。
清朝末期以降の中国銀貨などと比べても値動きはおとなしいものですし、
出遅れていた中南米の大型金貨に比べてでさえ、その値上がり具合は地味です。
ではなぜ古代のコインは値動きが小さいのでしょう。
もちろん相場ですから要因が一つだけということはありません。
でも僕は古代ギリシャ・ローマ、あるいは古代オリエントのコインが、
世界共通の文化遺産として見られている点が影響していると思います。
いつも申し上げますが、コインの収集家は自国のコインを中心に買います、
中国人、中南米の人たち、インドの人たち、アジアの人たち、
世界一般にみられる現象です。
そのような観点で古代コインをみるとどうでしょう。
古代には、たとえば現代のギリシャやトルコ、イタリアというような、
現代的な意味での国の概念はありませんでした。
たとえばさきほどの「走る王」を発行したアケメネス朝ペルシアです、
この国は現イランの一地方から興った国ですが、その後徐々に版図を広げ、
最盛期にはエジプトから中東、トルコ、イランにまたがる大きな国になりました。
したがってこの「走る王」がイランのコインかといえば、
必ずしもそのように言えないあいまいさがあります。
これは一例で、多くの古代のコインは、
あえていうなら「ギリシャ・ローマはじめ地中海地域で発行されたコイン」、
あるいは「古代オリエントで発行されたコイン」というように、
特定の国ではなく広い地域で発行されたコイン、
いわば「領域コイン」と捉えるべきだと思います。
簡単にいえば、
古代コインには「コインを発行した国」という概念そのものが希薄なのです。
逆に現代ヨーロッパ人たち、アメリカ人、場合によっては私たち日本人ですら、
古代コインに対して「私たち共通のルーツ」感を持っているように思います。
僕はこの普遍性の高さ、
言い換えれば特定の収集家群に依存しない資産価値が、
古代コインの「ジワジワ値上がり」に影響を与えていると思いますし、
逆に言えば「値下がりしにくい安全な資産」の理由になっていると思います。
もしこの考えが正しければ、
古代コインはかなり安全性の高い領域ということになるはずです。
では今回はこのへんで。
(2026年2月20日)
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