■「AI=低PER」で安心なのか
みなさんこんにちは。
株価の高い安いを判断する場合、
たしかにPERは大切な指標になります。
PERは現在の株価を「一株当たりの利益(=EPS)」で割った値です、
たとえばA社が、一株あたり100円の利益をあげたとしましょうか、
もし現在のA社株の価格が1,500円ならどうでしょう。
この場合、現在のA社株のPERは15倍です。
・1,500円÷100円=15
なんだか難しそうに聞こえますが、
これは現在のA社株が、むこう15年間の利益を先取りした価格で
取引されているということで、考え方としてはシンプルです。
長期的な日本株の平均PERは14-16倍程度ですので、
上記A社の例は一般的な日本株の姿だと言えます。
では現在の日本株全体ではどうでしょう。
日経225平均株価を例に考えますと、
現在のEPSの平均値は3,700円あたり(2026年6月10時点)、
一方で日経225平均株価は64,200円ほどです。
従ってPERは17.3倍ほどと計算できます。
・64,200円÷3,700円≒17.3
上記の様に、長期的に見た日本株のPERは14-16倍です、
それに比べると現在のPERは17倍強ですから、
少し高すぎるけれどむちゃくちゃ高すぎというわけではありません。
めでたし、めでたし・・・。
でも、こうすんなりといかないのが株の世界です。
上記で僕は「現在のEPSの平均値は3,700円あたり」と書きましたが、
実はここに重要な問題が含まれています。
ここでいう「現在のEPS」とは何を指しているのでしょうか。
もし皆さんが文字通り「現在この瞬間のEPS」を指していると考えるなら、
それは大きな間違いです。
なぜならEPS(=「一株当たりの利益」)は、
すでに終わった決算期(今なら2026年3月末)の数字に基づいて計算され、
期中のある時点、言い換えれば「現在この瞬間」の数字ではないからです。
つまり現在進行中の決算期において、
いったいEPSがどの程度の水準にあるのか・・・、
この点は計算のしようがないのです。
でも市場は常にEPSを計算しており、
それに基づいてPERも計算しています。
では市場で使う上記のEPSとはいったい何なのでしょう。
結論を言えば今期の予想ベースのEPS(=予想EPS)を使います、
つまりニュアンスとしては「経済や市場がいまのような感じで推移すれば、
おそらく実現するであろうEPS」です。
先ほど「現在のEPSの平均値は3,700円あたり(2026年6月10時点)」と
書きましたが、このEPSも今期の予想ベースにすぎません。
従ってもしこの予想EPSの見積もりが上下にぶれれば、
そこから計算するPERも上下にぶれることになります。
これが
「予想PERに割高感がなくても、予想EPSの方にバブル的要素が紛れ込む可能性」
の意味で、これは株式投資の成否を決める大切な要素です。
今回のタイトル【「AI=低PER」で安心なのか】は、
そのような意味を込めて付けました。
少し長くなってきましたので続きは来週お話しいたします。
では今回はこのへんで。
(2026年6月11日)
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