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ジム・ロジャーズ
日本には通称「商品ファンド法」という法律があります。これは、商品ファンドを購入する投資家保護を目的につくられた法律です。
一般的に「商品ファンド」といえば上記の「商品ファンド法」に規定される金融商品を指しますが、広義に解釈して「主に商品を投資対象としたファンド」の総称として使われる場合があります。
ここでは、「狭義の商品ファンド」と「広義の商品ファンド」に分けてお話を進めて行きましょう。

「狭義の商品ファンド」には商品ファンド法によって下記のような規定が設けられています。

●主な投資対象を商品投資とすること。
●商品投資以外の金融商品を運用対象に組み入れることはできるが、全体の50%を超えないこと。
●分配金は、その期に得られた収益からのみ分配することができる。投資信託のように基準価格を下げながらの分配はできない。

分配金に関する規制はいわゆる”タコ配”を防ぐことを意識しているのでしょう、また、投資対象の規制は要するに半分以上は”商品”への投資に配分しなければならないということです。ここはヘッジファンドとは違うところですね。ヘッジファンドのほうは投資対象の規制は全くありません。
ついでに申し上げると、日本の狭義の商品ファンドは農水省・金融庁・経済産業省の監督下 にありますが、ヘッジファンドのほうは管轄官庁がありません(これもそろそろ規制の網がかぶされそうですが)。
さて、この「狭義の商品ファンド」はどのような戦略に基づいて運用されているのか見てみましょう。

●トレンドフォロー戦略

相場の上下をテクニカル手法を用いて判断し、機動的に売り買いを行う手法。この戦略に基づく運用は価格の変動が激しくなります。多くの商品ファンドは、このトレンドフォロー手法に基づいて運用されています、例えば、三菱商事が販売する「ダイヤモンド・セレクトFX]やカネツ商事が販売する「龍神 ブリザード型」などがあります。
もう一つこのファンドには大きな特徴があります。

●裁定取引型

相場の歪みを利用したサヤ取引(たとえば、同じ動きをする2商品に注目し、割安の資産を買い、割高の商品を売る、といった手法。異なる取引所で取引される同じ商品のサヤを取る手法もあります)。安定運用が見込め、値動きは少ない。
例えば、岡藤商事が販売する「クラッスラ・ファンドU」やカネツ商事の
「龍神 ジェネシス型」などが該当します。

●オプション取引型

主に商品相場(30%程度までは金融商品先物の組み入れることができます)においてオプションの売買で収益を上げる手法です。
この商品は日本ユニコムのオリジナル商品です。同社のオールタナティブ投資商品開発部の責任者、増田部長は日本のオプション取引のオーソリティです。増田さんによって商品ファンドにオプション取引が持ち込まれました。
商品としては同社に「オプションマスター」という商品があります。設定以来まだ半年ほどしか経っていませんが、ほぼ増田さんの思惑通り極めて安定したパフォーマンスを挙げています。
上記のように、比較的運用戦略の幅は少ないということが言えそうですね。これに対し、ヘッジファンドは投資対象に縛られないぶん、バリエーションは豊富です(ヘッジファンドの投資戦略は主なものだけでも10種類程度あります)。

では、各ファンドの運用成績を見てゆきましょう。
以下((1)販売会社名、(2)ファンド名、(3)直近1年間実績 (4)年平均実績、(5)直近四半期実績)の順でデータを並べてみました。

1.(1)三井物産(2)アセットトライ(3)▲4.17%(4)6.32%(5)2.99%
2.(1)カネツ商事(2)龍神ブリザード型(3)▲8.48%(4)▲3.12%(5)▲1.82%
3.(1)岡藤商事(2)クラッスラ・ファンドU(3)2.52%(4)2.75%(5)▲1.20%
4.(1)日本ユニコム(2)オプションマスター(3)2.40%(4)-(5)1.70%
5.(1)カネツ商事(2)四天王(プラチナ世界型)(3)18.11%(4)17.60%(5)10.42%

となっています、やはり裁定取引型の3番やオプション型の4あたりは安定した値動きとなっていますが、他のファンドは値動きが結構激しいようです。

次に”広義の商品ファンド”のほうも見ておきましょう。
「商品ファンド法」に規定されていないモノなので、販売会社が「商品ファンド」と称して販売すれば、すべてが”広義の商品ファンド”に入る事になります。おそらく、この手の商品を探せばたくさんあると思うのですが、今回は先日私が取材をさせて頂いた、大和証券の「ジム・ロジャーズ世界探検記(愛称)」について紹介しましょう。
まず、この商品は米国で商品先物で運用されている「RICIポートフォリオ」というファンドを投資対象にしたファンド・オブ・ファンズです。

さらに、上記の「RICIポートフォリオ」はジム・ロジャーズさんが考案した商品相場指数に出来る限り近い動きをするように構成されています。要するに、ジム・ロジャーズさんの商品相場観に基づいて運用される投資信託といえそうです。
このファンドの特徴は商品先物相場の上下動に追随して値動きするところです、投資家かから見た場合、ジム・ロジャーズさんが推奨する商品の先物を分散して所有する、という感覚に近いのではないでしょうか。また、当然のことながら、このファンドは株や債券とはほとんど無関係に値動きします。

運用開始してまだ間がないので運用成績は出ていないですが、ジム・ロジャーズさんの見通しどおり、今後十数年間にわたって商品相場が上昇し続けると考えるなら、非常に魅力的な商品といえるのではないでしょうか。
ファンドの魅力の一つは、原商品として直接買い付ける事が出来ない投資対象に、間接的に投資できるところにあります。まさに、個人で直接購入できない(あるいは、難しい)投資対象を自分のポートフォリオに組み込めるという点で「商品ファンド」はヘッジファンドと並んで魅力のある商品といえます。

また、個人の資産がある一定以上の規模に達すると、株や債券だけでは十分に分散しきれないケースも出てきます。これらの”受け皿”として、不動産(Reitを通じた)や商品相場をみなさんのポートフォリオに組み入れることはとても意義のある事だとあると思います。

みなさんもそろそろ勉強を始めてみてはいかがでしょうか?

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