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MARS(米国の医療保険請求権)投資について
みなさんはMARSという言葉を耳にされた事はありますか?
確か、ロバート・キヨサキさんの「金持ち父さん」シリーズで何度か紹介されていた記憶はありますが、恐らくほとんどの方は初めて目にされる言葉ではないでしょうか。

MARSはMedical Account Receibablesの事で、日本語に訳すと「医療保険請求権」となります。
といっても、日本人にとっては医療保険に対する請求権がなぜ金融商品になるのかさっぱり解らないですよね。
その仕組みを知るためには、まず米国の医療保険制度について理解する必要があります。
日本では公的な医療保険がありますが、米国では一部の低所得者層へは無料の医療保険を政府が提供していますが、一般的には国民一人ひとりが自己責任で個別に民間の医療保険会社と契約を結ぶ仕組みになっています。
さらに医療保険と一口にいってもいろいろな保険会社があり、また契約内容も種々雑多です。

例えば

・掛け金は高く、どの医療機関でも診療をうけることができるもの
・掛け金は安いが、診療を受けられる医療機関が限定されているもの
・治療方法や薬の使用に制限があるもの
・歯科の治療に特化したもの

などで全米で約2000社以上の医療保険会社が存在しています。

ではこの状態を病院側から見ればどうなるのでしょうか。
日本では病院側は医療費を公的な医療保険制度に請求しますし、医療保険側は速やかに請求されたものに対し支払いを行いますよね。

ところが米国ではそうは行かないようです。
なにしろ2000社以上の別々の保険会社に対して請求を起こすわけですから、膨大な事務処理が必要になります。さらに米国には「限られた期間内に正確に請求しないと請求そのものを無効にする」という規定があります。
その結果、全債権に占める病院側の回収率は僅かに30%から35%にとどまっているという恐ろしいデータもあります。

ここにMARS投資というビジネスが生まれる余地が出てくるわけですね。
MARSの回収を行う会社は、病院から未回収の債権を格安で購入する一方、医療保険会社から債権の回収を行います。その差額が回収会社の収益になるわけです。
また、回収会社は投資家からお金を集め、そのお金を債権の買取に使います、得られた収益の一定部分は投資家に対して還元されることになります。
以上がMARS投資の概略です。

では、この商品の利回りはどの程度見込めるのでしょうか。
ここにMARSを日本の個人投資家向けに販売するMRI Internatinal Incという
会社のパンフレットがあります、それによると。

1.オプションA

・150万円 円建て 年利6.0% 投資期間 2~5年
・750万円 同 年利7.0% 投資期間 同
・1500万円 同 年利8.0% 投資期間 同
・1万ドル ドル建て 年利6.5% 投資期間 同
・5万ドル ドル建て 年利7.5% 投資期間 同
・10万ドル ドル建て 年利8.5% 投資期間 同


といずれも元本確保でかつ高利回り(確定利回りです)をうたっています。

元本確保で円建て、年利6.0%などと聞くと、低金利に慣れ親しんだ私たちにとってはなにやら危険な匂いがしますね。
確かに世界に目をやれば外貨建てで元本確保しながら、高いリターンを狙う商品はたくさんあります。 でも、この商品はどうでしょうか。少なくとも下記の点では非常に不明瞭だと言わざるを得ません。

1.米ドル建てで、元本が確保されている仕組みはどうなっているのか?

2.百歩譲って米ドル建てで合理的に元本が確保されているとして、円建ての 元本確保はどのような仕組みで実現できるのか?

3.米ドル建てで年間利回りが6.5%から8.5%、円建てで同6.0%から8.0%と なっているが、両社の利回りのスプレッドは僅かに0.5%に過ぎない。この ような低コストで果たして円建て利回りを確定できるのか?


私は上記の点についてMRI Internatinal Inc社にメールで問い合わせてみたのですが、納得できる回答は返ってきませんでした。
同社では日本の投資家向けに本商品のセミナーを定期的に行っている様子、一度私も参加し、上記の点について質問してみようと思っています。
私はMARSという商品そのものを否定するつもりは在りませんが、少なくとも上記の疑問が解消しない限り、当社ではMRI Internatinal Incの本商品を「投資規格外」と位置づけることにします。

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