■2025年型ポートフォリオを考える
みなさんこんにちは。
少し遅くなりましたが、
皆さん今年もよろしくお願いいたします!
メルマガの配信がちょっと遅くなってしまってすみません。
さて今回は恒例になりました今年の相場予測です。
たぶん今回も長くなると思います、
お時間ある人はお付き合いください。
なお章立ては以下のようになっています。
1. 2025年の世界経済
2. 今年の相場の予想(株、債券、為替、現物資産)
3. 推奨ポートフォリオ
お時間がない方は1を飛ばしてください、
2からお読み頂いてもわかるようにしておきますね。
1. 2025年の世界経済
□概況
1)トランプ2期目の始動とアメリカ経済
今年の世界経済を場合、
よく言われるようにアメリカのトランプ次期大統領という、
たった一人の人間が焦点になるのは間違いないと思います。
トランプさんは一期目で積んだ経験を踏まえるでしょうから、
得意とする他国との交渉(Deal)は、
より大胆かつ巧妙になると思います。
その行きつく先はどこでしょうか。
まず大切なのはトランプさんの最終的な目的を知ることだと思います、
そしてそこからトランプさんがとる行動について予想してみたいと思います。
ひとつめの目的は「大統領退任後も一定の権力を握り、
政治に影響を与え続ける」というものです。
トランプさんは前回の就任前や任期中、あるいは
退任後などに起こしたいくつかの係争事案を抱えています。
現職の大統領時代は免責特権によって裁判が凍結されるようですが、
4年後に任期が切れれば、そのうちいくつかで有罪判決が出る可能性があります。
このような事態を避けるため、
トランプさんは退任後に一定の権力を維持しようとするはずです。
考えられるトランプさんの二つ目の目的は、
「歴史に名を残す」というものです。
今回は2期目で次はありません、
なのでこの傾向を強めると思います。
そのためには経済的に目立った業績を残さなければなりません。
経済の成長性を高め、
株価を上げ、
世界からの投資を増やし、
インフレを一定範囲にとどめ、
アメリカ国民の実質所得を高める。
まずはこのあたりに集中すると思います。
そしてこれらを実現するためには、
当面の最大のライバルである中国を封じ込めること、
具体的には関税の引き上げと先端技術の流出規制をさらに強化する
中国以外の国に対しても関税を引き上げ、
一方でアメリカに拠点を置く国内外の企業には補助金を支払う、
結果として世界の企業による工場誘致や技術移転へ誘導する
AIやロボット、自動運転車、宇宙開発などで民間企業が成長できるよう規制を緩和し、
アメリカの生産性を高める政策を拡大する
金融界への規制を緩和し、金融機関がより自由に経済活動を行えるように環境を整える
日本やEUなどに対し軍事費の拡大を要求し、アメリカの負担を下げようとする
FRBに圧力をかけ、「利上げやQTなど経済を冷やす政策」をけん制する
所得税や法人税の減税を進めて経済活動の活性化を促す、
アメリカの財政は悪化するがそこは気に留めない
今年一年という時間軸で見れば、
まずはこのような点が当面の材料になると思います。
特に世界経済にとって影響が大きいのは「トランプ関税」だと思いますが、
その点で僕はさほど深刻に考えていません。
冒頭のようなトランプさんの目的を考えると、
常軌を逸した高関税の適用は、報復関税を課される懸念だけでなく、
輸入物価の上昇を招きます。
これはトランプさんの損得勘定には合わないはずです。
交渉の材料としては使うが、高関税は局所的(対中国はあると思います)で、
かつ一時的なものにとどまると僕は楽観しています。
もう一点付け加えますと、
トランプさんは上記以外のことにさほど関心は示さないはずです。
例えば温暖化防止やSDGsです。
ここ数年温暖化防止銘柄やSDGs銘柄に投資マネーが流入していましたが、
向こう数年は投資のテーマではなくなるでしょう。
一方で規制緩和によって好影響を受ける、
ビットコインなど仮想通貨は恩恵を受けるでしょう。
財政の悪化には頓着しないでしょうし、上記のようにFRBへ圧力を加え、
QE(紙幣の増刷)によって政府の赤字をファイナンス(≒穴埋め)させようとするでしょう。
その結果、市場に滞留するドル紙幣の量は再び拡大し、
これは金はじめ現物資産全般への支援材料になるとみております。
産業の分野ではAIやロボット、宇宙関連や自動運転などが
政府から有形無形の支援を受け、来年は飛躍の年になると思います。
特に電力供給が不安視されてきたAIデータセンターの新設は、
トランプさんの「掘って掘って掘りまくれ」によって加速するでしょう。
2)中国の減速
もう一つの注目は中国経済です。
同国経済は2025年もかなり厳しいと思います。
政府発表では、同国の直近四半期のGDP成長は4.6%ということになっていますが、
僕は信じません。
そもそも若年層の失業率が17%ほどもあり(僕はそれすら信じていませんが)、
消費者物価の上昇率が水面ギリギリの国が、年率4%台で成長するとは思えません。
実体のGDP成長率は、
かなり危機的なものではないでしょうか。
もしこの低成長が一時的な理由によるものなら、
「今年大復活」があるかもしれません。
でも昨今の中国を見ると経済停滞は一時的なものではなく、
中国という国が抱える根源的な理由によるものだと思います。
少子高齢化、不動産バブルの崩壊、反スパイ法による外資の逃避、
国有企業の優遇で起きた民営企業の退潮、貧富の格差拡大、富裕層の海外逃避、
社会保険制度の未整備、軍事費の拡大による財政の圧迫、地方政府の債務比率の上昇・・・
などなど悪材料のデパートです。
日本同様、これから長い停滞期に入ってゆくでしょう。
3)インドの成長持続
一方で期待できるのはアジア、なかでもインドです。
インドは夏の干ばつなどの理由で、一時的に物価上昇率が高まっています。
また株の譲渡益税の引き上げや財閥のスキャンダルなどによって株価も少し下げました。
でも経済の成長基調は止まっておらず、今年一年という時間軸で見れば、
中国の退潮を埋める形で世界経済に貢献してゆくと思います。
3)今年の日本はどうなるか
日本はまずますの一年になると思います。
トランプ関税は逆風ですが産業分野では追い風が吹くと思います。
上記のようにトランプさんはAIやロボット、自動運転、宇宙など
新技術の成長を促す政策をとると思いますが、
たとえばAIやロボットではアメリカと日本はすみ分けできると思います。
アメリカは半導体の設計やソフトウエア、利用分野の開拓が得意ですが、
それを支えるのは日本の製造業という構図です。
日米はAI分野で補完しあいながら市場は拡大することになるでしょう、
アメリカは対中半導体規制は強化すると思いますが、
それを補う形で市場は拡大してゆくと思います。
日本に関していえば今年は、
「長いデフレの後にようやくやってきた夜明け」
というステージだと思います。
2025年日銀は、2回利上げが有力視されていますが、
それでも政策金利はやっとこさ0.75%にすぎません。
この程度なら経済への影響は軽微ですし、
逆に金利のある世界で一息つける業種もあります。
たとえば銀行と生保です。
この2業種の業績はすでに拡大していますが、
今年もまた一段の業績拡大を期待したいところです。
2. 今年の相場の予想(株、債券、為替、現物資産)
では相場のほうはどう動くのでしょう、
うえのシナリオにそって考えてみたいと思います。
□株
・日本株
まず日本株からです。
トランプ関税と対中半導体規制の悪影響は避けられないと思いますが、
上記のような理由で僕は、日本の産業全体にあたえる影響はさほど
大きくないと楽観しています。
トランプ第1期(企業の決算期でいえば2018-2021年)における
日本企業の利益と売り上げを振り返ると、
コロナ・ショックで2020年と2021年に大きく落ち込んでいますが、
それ以前の2年(2018年と2019年)はむしろ好調でした。
ここから案外と、日本の会社はトランプ第1期の被害を受けていない
ことがわかります。
その前提で僕の一番の関心事、
半導体についてです。
以前もこのメルマガでお話ししましたが、
いまは半導体をひとくくりで語る時期ではないと思います。
つまりすごい勢いで利用機会が増える先端半導体(=AI半導体)と、
それ以外の汎用半導体は別物と考える時期に入ったということです。
いずれAI半導体という区分すら無くなり、
単に半導体の中の一つのカテゴリーになると思いますが、
少なくとの2025年はAI半導体と汎用半導体は分けて考える必要があると思います。
さてそのような観点で、
AI半導体についてお話いたします。
日本には多くの半導体関連企業がありますが、
今のところエヌビディアのようにAI半導体に特化した会社はほとんどありません。
たとえば半導体パッケージを作るイビデンを例に考えてみましょう、
いまだに同社の売り上げの30%ほどはインテルで、
かつては「インテル銘柄」などと呼ばれていたものです。
昨年インテルの変調や汎用半導体の売れ行き鈍化によって、
イビデンの業績も悪影響を受けました。
多くの半導体関連企業は2023年第1四半期を底に回復期に入っていますが、
イビデンは現在に至るまで低迷し続けています。
その最大の理由は汎用半導体の回復が遅れている点と、
インテルの低迷です。
後者はイビデン固有の問題ですが、
前者(汎用半導体の回復遅れ)はイビデンだけでなく、
多くの半導体関連株に共通した課題です。
2025年の半導体株の行方について考える場合、
最大の焦点は汎用半導体からAI半導体への波に、
うまく乗ることができるか否かです。
イビデンの場合、少し移行に時間がかかっているものの、
同社の決算資料からわかるように、
AIサーバー向け販売は直近四半期で急拡大しています。
汎用半導体の低迷をAI半導体の需要で補えるか、
さらに「汎用の縮小<AIの拡大」となり、
会社として売り上げ拡大期に入るか否か。
このあたりが2025年イビデン株の焦点になりますし、
日本の半導体株すべてに共通したテーマになるでしょう。
その点で僕は楽観しています。
イビデンだけでなく半導体関連企業全体をみても、
急速にAI半導体向け需要が立ち上がってきました。
おそらく半導体ニーズ全体が、
より高機能なものに移ってきているのではないでしょうか。
たとえば東京エレクトロンの見通しをみると、
今期2025年3月期におけるAI比率は対前年比2倍の30%ですが、
来期(2026年3月期)には40%まで高まる見通しです。
このように業界全体で急速にAI化が進む結果、
「旧来の汎用半導体の低迷」と、
「AI半導体の急拡大」が同時に起きているのでしょう。
半導体の歴史を振り返ると、
このような高機能品へのシフトは不可逆的です。
2025年も市場の要求はますます高機能品へシフトし、
AI半導体の売り上げは急拡大するとみております。
この見方が正しければ、
私たちは「よりAI分野に強い会社に投資すべき」ということになります。
なお半導体以外では、
AI化によってネットワークインフラの高速化・大容量化が、
より強く求められることになるでしょう。
光ファイバーそのものを作るフジクラに注目していますし、
光伝送機器を作る中堅企業Santecなどにも引き続き注目しています。
あとは日銀による利上げの好影響を受けやすい、
銀行株、とくにメガバンクにも注目しています。
・アメリカ株
アメリカ株も同様です。
ただ同じAIといっても、
アメリカにはAIの本丸分野で強力な会社がいくつもありますし、
上記のようにそのような会社は日本と分業体制にあります、
したがってさほどの重複を感じません。
AI半導体のエヌビディアだけでなく、
巨大な先端半導体への需要は、2025年をとおして同業他社や
周辺企業に波及してゆくでしょう。
一方で市場ではアメリカ株の株価水準への高さへの懸念も聞かれます。
たしかにアメリカ株全体をみると、
S&P500ベース・予想PER23倍はかなりの高水準ではありますが、
ここは「樹を見て森を見ず」です。
ここでは銘柄には触れませんが、今年のアメリカ株式投資では、
うえのような視点が求められると思います。
・そのほかの地域
一方でヨーロッパの株には強気になれません。
ヨーロッパという地域全体で斜陽化が始まっていると思いますし、
中国退潮の影響を受けやすい地域でもあります。
加えてトランプ関税の影響も受けやすく、
今年は一年を通して軟調に推移するとみております。
中国株にも弱気です、
上のように同国の経済は長い低成長期に入ると思います。
何年か後に振り返った時、
「あの時が中国経済の後退の始まりだったな」
という一年になるのではないでしょうか。
新興国では引き続きインドに注目しています。
インド株は一時的な調整期に入っていますが、
PERをみればSENSEXベースで24倍まで下がってきました。
これは過去5年間の平均値で、
このあたりが当面の底値になりやすいと思います。
□国債
昨年はFRBが5-6回の利下げをするとみられていましたが、
意外とアメリカ経済は強く、
結果は3回(うち1回は2倍の0.5%)に終わりました。
そして現在の政策金利は4.5%です、
なぜこれほどアメリカの経済が強いのか・・・、
この点に関してはこのメルマガなどでお話ししてきましたが、
一言で申し上げれば「AIの効用」だと僕は思います。
AIは半導体メーカーの業績だけにとどまらず、
AIを活用する側にも大きな好影響をもたらしつつあります。
僕もAI翻訳でお世話になっていますが、
その自然さは従来の翻訳ソフトの比ではありません。
日ごろの海外コイン商やファンドなどとのメールが、
どれほど時短できたか知れません。
そのぶん、ほかの仕事ができますので、
僕自身の生産性も随分と高まっていると思います。
僕は(当然ながら)AIを使って文章を書くことはしませんが、
おそらくアメリカでは日頃の仕事のなか、
当たり前のように使われているのではないでしょうか。
AIがアメリカの生産性をあげたのは間違いなく、
それがアメリカ経済の強さにつながっているのだと思います。
しかもAIの利用はまだ始まったばかりです、
たとえばスイスのUBSグループは
「パソコンは86年から2000年までに、
インターネットは00年から現在までに、
世界の生産性をそれぞれ18%、20%押し上げた。」
「AIの効果が15%でも、それだけで4.4兆ドル(約680兆円)の価値を生む」
と言っています。
今のところAIの恩恵はアメリカ中心です、
足元のアメリカ経済の強さはAIによる部分が多いのではないでしょうか。
そしてこの傾向は2025年以降さらに本格化してゆくと思います。
場合によって、アメリカ経済はAIの効果で想定以上に加速するかもしれません。
今のところFRBは、来年2回の利下げを想定していますが、
「経済が強すぎて利下げできない」というシナリオもありえると思います。
この場合、アメリカの長期金利は意外と下がらず、
現状の4.7%程度が一年を通して常態化する可能性すらあると思います。
□為替
いつも申し上げていますが、
僕には短期の為替を予想する能力はありません。
でも、もし為替が両国間の金利差で決まるなら、
2025年はやや円安が進む可能性があると思います。
その理由は以下の通りです。
・アメリカの利下げ:標準的な見立ては2025年に2回、
場合によっては1回、またはゼロで終わる可能性もある
・日本の利上げ:標準的な見立ては2025年に2回、
これが上限で場合によっては1回
以上の標準的な見立てでは、
「アメリカ2回の利下げ、日本2回の利上げ」で、
この場合は現在の水準からやや円高となります。
一方で「アメリカが利下げゼロ、日本が利上げ1回」
という組み合わせならどうでしょう。
この場合、現状程度でドル円は変わらずとなりますが、
為替は政策金利だけではなく2年金利、5年金利、
10年金利などを見て動く傾向があります。
上のような理由で予想以上にアメリカの長期金利が上がる可能性もあり、
その場合はむしろ円安です。
僕はこの可能性が十分あると思います。
□実物資産
・金
冒頭でお話ししましたが、トランプ政権は財政を拡張し、
その穴埋めとしてFRBがQE(=ドル紙幣の大量印刷)を行う可能性が高いと思います。
その場合、金とドルのバランスは崩れ、
金が値上がりする可能性が高いでしょう。
さらにトランプ時代を通し、
グローバルサウスによる「反アメリカ」が進む可能性が高く、
これは「反ドル」とほぼ同義です。
その場合、新興国中心に世界の中央銀行も引き続き金の購入を続けるでしょう、
2023年は2022年に続き大量の金買いが見られましたが、
2024年にはいっても第1四半期に過去最高を記録しています。
このように2025年はグローバルサウスによる「反トランプ」に加え、
ドルの過剰供給の懸念もあります。
少なくともおカネが金からドルに戻る可能性は低く、
来年は金高がさらに加速すると僕は思います。
・アンティークコイン
中央銀行や機関投資家がコインを買うことはありません。
なぜならコインの市場は小さく、
金と違ってこれら主体の買いを受けいれる容量がないからです。
一方でコインには金に見られない特色があります。
「金は地下から掘り出されるしリサイクルもされる」、
これに対しコインは過去に戻って作られることはありませんし、
リサイクルされることもありません。
さらにコインは金と違って歴史遺産としての側面がありますし、
美術品としての性質も持っています。
以上にあげた金とコインの違いは、
しばしば双方の値動きの違いになって現れてきました。
コインは金と違って機関投資家や中央銀行の買いが入ってくることは無く、
その点で「コインは金に比べ値動きは緩やか」です。
しかも経済や政治など世界でたびたび起きるショックから隔離されており、
その点でも安定感のある資産です。
2025年・・・、
いったいどんなことが起きるかわかりません。
が、コインは外的なショックに強いという点で、
資産分散の対象として輝き続けると思います。
地域でいえば経済成長性が高いであろう地域、
昨年と同じくインドや東南アジア、中南米などに注目しています。
他には美術品としての魅力を合わせもつコイン、
たとえば1600年から1930年あたりまでのヨーロッパの金貨、
ほかに重厚感が魅力のターレルも有望だと思います。
アメリカの初期金貨と銀貨、1850年以降の20ドル金貨なども、
アメリカ株に比べ著しい出遅れ感があります。
他に気になるのは古代ギリシャ・ローマの金貨、
オリエントの金貨などです。
3. 2025年型ポートフォリオ
少し疲れてきましたが、
最後は恒例の推奨ポートフォリオです。
・基本的な考え方
(1)株
上のような理由で僕は、
AI半導体関連銘柄を積極的に組み入れたいと思います。
関連株の底がいつになるのか・・・、その点は神様の領域ですが、
そろそろいい水準まで来ていると思います。
アメリカのフィラデルフィア半導体株指数を振り返りますと、
昨年7月に高値5900台を付けた後、下げトレンドに入り、
足元の水準は5000台です。
きっとこの間は、「旧来型の汎用半導体の需要低迷」という悪材料が、
「AI需要の拡大」という好材料を上回っていたのでしょう。
2025年は、AI需要の拡大に加え汎用半導体の需要もやや持ち直し、
SOX指数は上昇局面に入ると見ています。
でも半導体なら何でもOKというわけにはゆきません。
繰り返しになりますが、
2025年はAI半導体の売上比率が高い銘柄が選別されると思います。
また同時にエヌビディアによる一極上昇という段階から、
ブロードコムやマイクロン・テクノロジーなどに、
上昇の範囲が広がってゆくと考えております。
さらに僕の得意分野ではありませんが、
ソフトゥエアやアプリケーション分野へとすそ野は広がってゆくでしょう。
日本株も同様で、半導体でもAIの比率が高く、
かつ競争力がある会社群に注目しています。
上記のように足元で半導体株は停滞期にありますが、
このような時期はかえって安全です。
(2)国債
アメリカ国債は、ことしもミドルリスクの基軸資産になると思います。
現在の10年債利回りは4.7%以上あり、
税引き後でも3.8%ほどもあります。
もちろん買った後に下げる(=金利がさらに上がる)可能性はありますが、
米国債は満期までもてば元本100ドルでの償還が保障されています。
欲をいえばきりがありません、
人間「足るを知る」ことが大切で、
このあたりが買い時ではないでしょうか。
ただし時期は何度かに分けてください。
(3)為替
足元のドル円レートは1ドル=158円ほどですが、
標準シナリオ「アメリカ2回の利下げ、日本2回の利上げ」に立てば、
ここからやや円高。
「アメリカが利下げゼロ、日本が利上げ1回」という組み合わせなら、
ここからさらに円安、場合によっては1ドル=170円まであるかもしれません。
短期的な相場を僕は読めませんが、
向こう数年から十数年という中長期の時間軸で考えるなら、
さらに円安が進むでしょう。
長い長い先を見据え、
いまのうちにドルを買っておくのも一つの考えだと思います、
もちろんドル資産全般、
たとえばアメリカ長期債やアメリカ株にも同様の効果があります。
(4)現物資産
本メルマガ冒頭のように、
トランプさんは計算高い人だと思います。
なので無茶な高関税を課すことはないと思いますが、
それでも予測不能なところがあります。
またこれは2025年に限りませんが、過去を振り返るとオイルショック、
ITバブル崩壊、リーマン・ショック、コロナ・ショック・・・
何年かごと目を疑うような出来事が起きています。
2025年に同様の出来事が起きるかどうか、
その点はわかりません。
でもだからこそ私たちは、
世の中が常に「一寸先は闇」であると肝に銘じておくべきだと思います。
そんなカオスに中で生きている私たちにとって、
絶対的な価値がある資産。
いいかえれば実物資産は持っておく価値がある資産です。
今年も金や銀、
アンティークコインなど実物資産への分散を怠りなく進めたいと思います。
さて以下はそのような観点で作った推奨ポートフォリオです、
毎年申し上げていますように、これは一つのサンプルにすぎません。
実際にはお一人お一人の資産状況やライフプランに
よって異なります、
あくまで一つの投資のヒントとしてご活用ください。
□推奨ポートフォリオ
・先進国株(25%):昨年25%
1.日本株個別銘柄(AI半導体関連株、銀行株)
2.アメリカ個別株(AI半導体関連株)
3.NasdaqETF、先進国分散株ETF
・新興国株(5%):昨年5%
1.インド株ETF
2.ASEAN株ETF
3.新興国分散ETF
・コモディティ関連資産(15%):昨年10%
1.金の現物(長期ならETFより現物推奨、新NISA可)
2.銀ETF(新NISA可)
3.プラチナETF(長期ならETFより現物推奨、新NISA可)
・債券(15%):昨年15%
1.アメリカ長期国債 の一択
・ヘッジファンド(0%):昨年0%
・不動産系資産(10%):昨年15%
1.国内都心部の不動産
2.商業/物流/倉庫不動産型J-REIT
3.アメリカの商業不動産型REIT
・不動産以外の実物資産(30%):昨年30%
1.インド・アジア、古代、中南米、アメリカなどの出遅れアンティークコイン
2.世界の美術品(場所をとるのでお好きな方限定)
3.日本の古美術(書画、陶器、茶器など)
****
これで今年の相場予想はお終いです、
最後までお読みになった人はほとんどいないと思いますが、
もしいらっしゃったら感謝いたします。
手前みそながら、
昨年もかなりの精度で予想できたと思います。
ただ一点だけ「AI効果」を読み切れず、
アメリカの政策金利の引き下げ幅を間違いましたが、
それ以外はほぼ読み切れたと思います。
特に半導体株の降り時を、2024年秋口に設定したのは、
我ながらいい読みだったと思います(実際には少し
早めの5月に降りた点も含め)。
興味ある方は昨年号のURLを挙げさせていただきますので、
お読みになってください、でも長いです。
もちろん誤字脱字以外は修正していません。
↓
https://www.ginzafp.co.jp/info/240115.html
以上です、
では今年も皆さんにとって、素晴らしい一年になることを
お祈りしております!
今年も銀座なみきFP事務所をよろしくお願いいたします。
(2025年1月15日)
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