ホーム > 連続読みもの(抜粋版) > 1−1.売る側の理論にだまされるな
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■売る側の理論にだまされるな

長期投資・・・いかにも堅実で計画的な響きを持ったことばですね、
でも皆さんは本当に長期投資の意味や効用、あるいは欠点や長所について考えてみたことがありますか。
資産運用セミナーなどで、過去のチャートを見せられ「長期投資は素晴らしい」などと頭から思い込んでいないでしょうか・・・
もちろん長期投資には大きな効用があります、例えばよく目にする資料でこのようなデータがあります。

(グラフ1-1)はある金融商品について各年を起点に、いずれも10年間保有した場合の年平均リターン表したものです、
確かにこのチャートを見る限り、1985年以降どの年に投資を始めたとしても、
10年後には全てプラスのリターンとなっていますので、長期投資の素晴らしさを納得させられる資料といえるでしょう。
しかも一般的に申し上げてこれは決して不自然な現象ではありません、
そもそも株式市場とは企業業績に対して値付けを行う場です、
個別の企業に焦点をあてますと、その業績のブレに従って短期的に価値が上下することがありますが、
経済全体を見わたせばどうでしょうか。
人間が経済活動を行う限り、企業業績の総和は必ず成長を続け、
長い目で見れば株式相場は上昇を続ける、このように考えるのが自然でしょう。

だとすれば確かに長期投資は非常に合理的な側面もあるわけです、
ただし、長期投資の有効性を訴えつつ売る側が組み上げる販促ストーリーには十分な注意が必要です。
例えば個別のデータには何の誤りやウソもない、にも関わらずそれら資料のなかに、
こっそりと売る側の意図が紛れ込んでいる・・・このような状況を時々私は目にします。

例えば(グラフ1-1)では1985年から1995年といったように比較的限られた期間の実績を示したものですが、
実はこれは売る側がよく使う一種のトリックが含まれています。
通常売り手が販促資料を作る場合、あらかじめストーリーを描きます、
長期投資の有効性を訴えたい時は、上記のように長期投資が有効であった期間を切り出してチャートを作成する、
あるいは長期投資が有効であった市場を抽出してチャート化するといった具合にです。
参加者はあくまで受身ですから、このチャートがどの程度普遍性を持っているのか知る由もありません、
彼らはこのような資料があたかも普遍性を持っているように都合よく利用することに長けているのです。

ご参考までに、日経225平均株価を使い、さらに直近のデータまでカバーして資料を作成してみましょう。

(グラフ1-2)をご覧頂いてお解りのように、日本株を取り出してみれば、
たとえ10年間保有し続けたとしても、1980年代の後半以降は決して長期投資が報いられていないことがわかります。

もちろん上記のような例もやや特殊な事例ですが、一方でこの例は長期投資が、
どのような市場でも、そしてどのような経済環境下でも、常に有効だと言い切ることはできないと語っているわけです、
では一体長期投資はどのような市場で有効なのでしょうか。


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